【がんアライアワード2021 シルバー】新生銀行グループの「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
シルバー受賞:新生銀行グループ
事業内容:金融業
従業員数:5,605人(2021年3月31日現在)
ウェブサイト:https://www.shinseibank.com/
取り組みのきっかけやエピソード
・がんに罹患される方は、ご自身ががんに罹患するまでは、まさか自分ががんになるとは考えていらっしゃらないかと思いますので、広くグループ内の社員に新生銀行グループではがんに罹患してもサポートが受けられるということを知っておいてもらい、もし必要となった時には安心して相談できる環境を整えていきたいと考えております。
・がん治療による休業からの復帰・両立支援
がん治療による長期休業者については、人事担当者が面談を行い、産業医とも連携し治療や回復状況を配慮しながら、職場復帰のサポートをしています。放射線治療等で免疫力が下がっており、感染リスクが高くなっている方もいらっしゃいます。
特に、今年は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響下のなかで、復帰される方もおられましたので、在宅勤務で対応可能な業務での復帰や、対人・対面での業務は避ける等、復帰後のキャリアの継続・両立が可能となるよう調整・サポートしています。
また、健康開発センター等とも連携しながらご本人と定期的に面談し、メンタルケアを含めたサポートを継続しています。
・1on1ミーティングを導入
ニューノーマル下での新しいコミュニケーションとして、上司と部下が定期的に部下の成長・キャリア形成を中心とした、部下が主役となるミーティングの機会をもつ、1on1ミーティングを導入しています。
業務そのものではなく、キャリアを築いていく上で出てくる課題や悩みを上司と共有し、解決のサポートをすることを目的としています。
・女性の健康に関する情報提供の実施
企業での健康推進はこれまでどちらかというと、男性が主なターゲットとなる、メタボリックシンドロームへの対応等が主流だったかと思います。女性の活躍推進を進めるなか、長く会社で活躍頂く事が当たり前となっています。
なかなか共有し辛い、ライフステージにおける女性特有の疾病についての研修を行い、女性が抱える健康課題についての理解を深め、男女ともに支え合える風土作りを目指しています。また、女性特有のがんにも触れ、早期発見・早期治療を推進していきます。
風土づくり
◆『新生銀行グループの健康経営宣言』の策定
2020年度に健康経営宣言を策定し、健康経営の推進にさらに力を入れて取り組んでいます。内容は以下の通りです。
◆「働き方リ・デザイン」の推進
・社員一人ひとりが、時間や場所に制約を受けずに柔軟な働き方を選択できるようにするニューノーマル下での働き方改革である「働き方リ・デザイン」をグループ全体で進めています。
・「働き方リ・デザイン」では、働く場所・時間の柔軟性を高める制度を導入だけでなく、社員一人ひとりが、自分の価値観やライフステージ、病気治療など自分の状況に応じた働き方を自由に選択できるよう、管理職はじめ、一緒に働く同僚がそれを許容する組織のマインドセット・風土づくりに取り組んでいます。
◆年次有給休暇の取得推進
・心身の健康維持すること、柔軟に休暇が取りやすい風土を醸成することを目的に、年次有給休暇の70%以上の取得推進、年5日以上の連続休暇の取得を義務とし、推進を行っています。
相談できる環境づくり
◆キャリア・ライフ・サポートデスク(通称“キャリサポ”)の設置
・グループ人事部内に仕事やキャリアと、それに関連した生活や働きかたなど様々な悩みや困りごとについても随時相談を受けられる窓口を新たに設置しました。日常の業務の状況、仕事への適性、将来の希望、今後のキャリアプラン、ワークライフバランス、病気治療との両立、ハラスメント以外の人間関係(ハラスメントは別途のハラスメント通報窓口設置)等、困っているけどどこに相談してよいのかわからないということをなんでも相談できます。
・窓口ではキャリアコンサルタント、産業カウンセラー資格を持つ人事担当者が相談を受けています。
・相談内容に応じて、各担当と連携する体制をとっており、がん罹患に関する相談があれば、産業医・保健師等とも連携し、対応をします。
・また、会社には相談しにくいといったケースについては、EAPカウンセリングサービス(外部相談窓口)を設けており、社員が状況や目的に応じて、相談できる窓口を充実させています
◆特定保健指導の徹底(スマートフォン・ドラックストアでの特定保健指導の導入)
がんの発症にも影響があると考えられる、食生活や飲酒、喫煙、睡眠といった普段の生活スタイルに課題がある特定保健指導の対象者への取組みを強化するため、スマホによる遠隔保健指導、および新たにドラッグストア内で管理栄養士サポートのもと生活習慣改善プログラムを実施する特定保健指導を導入しました。
制度・配慮
◆「働き方・リ・デザイン」をグループ全体で進めるなかで、柔軟な勤務を実現する制度の充実を進めています。
・具体的には、働く場所をメインオフィス、サテライトオフィス、在宅勤務、その他セキュリティが保たれる場所であれば柔軟な組み合わせることができます。
・また、時差勤務やフレックスタイム制の適用範囲を拡大し、働く時間についての柔軟性も拡大しています。働く場所や時間を柔軟に選択する制度を理由する問わないため、がん治療のためや休業からの復帰時等、柔軟な働き方が必要となる時も、他のメンバーにも気兼ねなく、自由に選択することが可能です
講評・コメント
・新型コロナウィルスの感染拡大の影響下で復帰される方には、在宅勤務可能な業務での復帰や、対人・対面での業務は避ける等、復帰後のキャリアの継続・両立が可能となるように調整を進められています。
・食生活や飲酒、喫煙、睡眠といった生活スタイルに課題を抱える対象者への取組みをさらに強化し、スマホによる遠隔保健指導、ドラッグストア内で管理栄養士サポートのもと生活習慣改善プログラムを実施する特定保健指導を導入されるなど新たな取り組みを進められています。