【がんアライアワード2022シルバー】新生銀行グループの「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
シルバー受賞:新生銀行グループ
業種:金融業
従業員数:5,608名(2022年3月31日現在)
取り組みのきっかけ
がんに罹患される方は、ご自身ががんに罹患するまでは、まさか自分ががんになるとは考えていらっしゃらないかと思いますので、広くグループ内の社員に新生銀行グループではがんに罹患してもサポートが受けられるということを知っておいてもらい、もし必要となった時には安心して相談できる環境を整えていきたいと考えております。
風土づくり
◆『新生銀行グループの健康経営宣言』の策定
・健康経営宣言を策定し、健康経営をより一層推進しています。
内容は以下の通りです。
新生銀行グループは、持続的な価値創出を実現するために、多様な社員一人ひとりが心身ともに健康でやりがいを持って幸せに働ける環境整備を経営の重要課題とし、安心・安全に働ける環境づくり、柔軟で多様な働き方の実現、社員一人ひとりの特性にあわせた健康維持・増進に取り組みます。
社員の健康への取り組みを通じ、グループの強み、ケイパビリティ(組織的能力)を最大化し、お客さま、株主・投資家、社員とその家族など、あらゆるステークホルダーのみなさまに対して、新しい価値提供を続けるとともに、社会的インフラとしての責任と使命を果たします。あわせて、持続可能な社会の構築の実現にも貢献してまいります。
◆「働き方」に対するマインドセット
新生銀行グループでは、働きがいと生きがいを持って自分らしく働ける環境づくりを推進し、さまざまな制度を導入しています。
社員一人ひとりが、自分の価値観やライフステージ、病気治療など自分の状況に応じた働き方を自由に選択できるよう、管理職はじめ、一緒に働く同僚がそれを許容する組織のマインドセット・風土づくりに取り組んでいます。
◆1on1ミーティングを推進
上司と部下の1対1の対話の場として1on1ミーティングを推進しています。部下が主役となるミーティングの機会を定期的に設け、業務そのものではなく、キャリアを築いていく上で出てくる課題や悩みを上司と共有し、解決のサポートをすることを目的としています。
◆女性の健康に関する情報提供の実施
2021年度は女性の健康講座を実施し、各ライフステージにおける女性の健康課題やがんも含め、女性特有の病気に関して、女性のへルスリテラシーの向上を図りました。同時に、男性職員やご家族に対しても学びの場を提供し、女性の健康課題への理解を深めていただくきっかけ作りを行いました。
◆年次有給休暇の取得推進
心身の健康維持すること、柔軟に休暇が取りやすい風土を醸成することを目的に、年次有給休暇の70%以上の取得推進、年5日以上の連続休暇の取得を義務とし、推進を行っています。
相談できる環境づくり
◆キャリア・ライフ・サポートデスク(通称“キャリサポ”)の設置
グループ人事部内に仕事やキャリアと、それに関連した生活や働きかたなど、様々な悩みや困りごとについても随時相談を受けられる窓口を設置しています。キャリサポでは、日常の業務の状況、仕事への適性、将来の希望、今後のキャリアプラン、ワークライフバランス、病気治療との両立、ハラスメント以外の人間関係(ハラスメントは別途ハラスメント・人権相談窓口を設置)等、困っているけれど何処に相談してよいのかわからない困りごとをなんでも相談することができます。窓口担当者はキャリアコンサルタント、産業カウンセラー資格を持っており、がん患者の治療と仕事の両立支援についての外部研修を受講する等支援内容の充実にも努めています。
また、企業内相談窓口である利点を活かし、相談内容に応じて、各担当とタイムリーに連携することが可能な体制をとっており、がん罹患に関する相談があれば、産業医・保健師等とも連携し、対応します。
会社には相談しにくいケースについては、EAPカウンセリングサービス(外部相談窓口)を設けており、社員が状況や目的に応じて、相談できる窓口の選択肢を充実させています。
◆特定保健指導の徹底(スマートフォン・ドラックストアでの特定保健指導の導入)
がんの発症にも影響があると考えられる、食生活や飲酒、喫煙、睡眠といった普段の生活スタイルに課題がある特定保健指導の対象者への取組みを強化するため、スマホによる遠隔保健指導、および新たにドラッグストア内で管理栄養士サポートのもと生活習慣改善プログラムを実施する特定保健指導を導入しました。
制度
新生銀行グループでは、環境の変化に柔軟に対応した制度の見直しを進めてきており、具体的には、セルフ時差勤務制度、フレックスタイム制度、スーパーフレックスタイム制度、時間単位休暇制度などを導入し、働く時間の柔軟性を拡充しました。
がんに罹患した場合でも、これらの制度を利用し、治療と両立しながら仕事を続けることが可能です。
また、在宅勤務制度もありますので、これを活用することで通勤による体への負担を軽減することもできます。
今年度新たに導入した制度の詳細は次のとおりです。
◆フレキシブルワーキング制度:週3日勤務・週4日勤務、時短勤務
従業員のライフイベントと仕事の両立支援策として、本人の希望により利用できる週3日勤務・週4勤務制度、時短勤務制度を導入しました。治療・療養を目的として利用することができます。
・週3日勤務・週4日勤務制度:週所定勤務日数が5日の従業員について、1日の所定勤務時間はそのままに週の所定勤務日数を3日または4日とする制度です。
・時短勤務制度:フルタイム従業員の1日の所定勤務時間を 1日30分から3時間30分まで、30分単位で短縮することのできる制度です。
◆勤務時間の柔軟な取扱い
通院を目的とする場合に、勤務時間中の中抜けを認めています。当日は、1日の所定勤務時間数を満たすまで就業時間を繰下げて働く必要がありますが、日中頻繁に通院する必要がある時期も安心して治療を継続することできます。
◆定期健康診断二次検診の費用補助制度
定期健康診断の二次検診費用を上限5000円/年1回まで補助する制度を新生銀行健康保険組合に導入しました。費用補助により、二次検診受診を推奨し、がんの早期発見、早期治療に繋がることを期待しています。
その他の取り組みやエピソード
◆がん治療による休業からの復帰・両立支援
がん治療による長期休業者については、希望に応じて人事担当者が面談を行い、産業医とも連携し治療や回復状況を配慮しながら、職場復帰のサポートをしています。放射線治療等で免疫力が下がっており、感染リスクが高くなっている方もいらっしゃいます。復帰後のキャリアの継続・両立が可能となるよう調整・サポートしています。また、健康開発センター等とも連携しながらご本人と定期的に面談し、メンタルケアを含めたサポートを継続しています。
抱負
がん治療を行う従業員のメンタルや治療に伴う副作用に関し、共に働く仲間として一定の知識を身に付けてもらえるような啓蒙活動も展開していきたいと考えています。
講評・コメント
・フレキシブルワーキング制度(週3日勤務・週4日勤務、時短勤務)、通院を目的とする場合に、勤務時間中の中抜けを認めるなど、治療と仕事の両立が可能な働き方を提供されています。
・定期健康診断二次検診の費用補助制度を導入し、早期発見・早期治療の大切さを伝えられるなど啓発活動を行われています。