【がんアライアワード2023ゴールド】株式会社四国日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2023に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
ゴールド受賞:株式会社四国日立システムズ
業種:システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発
従業員数:263 名( 2023年3月31日現在)
働く人を支える制度・ 体制
【1】がんと就労に関して、あるいは社員の健康や安全に関する基本方針等の表明
■「健康指針」および「がんアライ宣言」を作成し、社外HPの健康指針および健康経営専用ページにて公表している。内容としては、健康経営を通して目指すもの、推進体制、および健康経営推進の概略図の他、実際に行っている施策についてもあわせて公表している。
■社内に向けては、社長方針説明(1回期 や、取締役による衛生週間のメッセージ(1回/年)等にて社員に公表し、「自身の健康は自分で守る」ことや「こころと体の健康づくり」の重要性について周知している。
【2】休暇制度
■私傷病休職制度(最長36ヶ月)や半日単位、時間単位で取得できる年次有給休暇制度を導入している。
■積立年次有給休暇制度(最大20日積立可能)を導入し、傷病理由に限らず多くの有給休暇を取得できる環境を整えている。
【3】勤務制度
■仕事と治療の両立支援として、フレックス勤務、時間単位年休、時差出勤等の柔軟な勤務・休暇制度あり。
■実際にがんに罹患し、治療は継続しながら職場復帰される方については、「職場復帰支援プログラム」に沿って、通勤訓練や慣らし勤務 時短勤務 等、個人の治療方法や体調に合わせて柔軟に対応し、完全復帰をめざすよう、配慮している。
■2021年4月からは、働きながら治療を続けるニーズが高まっていることを受け、がん治療他を対象とした「治療勤務制度取扱規則」を新たに制定し、治療の際の短時間勤務や短日数勤務、在宅勤務を利用可能とした。
【4】支援体制
■「本人」「所属上長」「産業医」「保健師」「人事・総務スタッフ」が一体となり、個々人の治療状況に応じて職場復帰から復帰後のフォローアップまでをサポートする体制を立ち上げ、社内ホームページやセミナー等を通じて全従業員へ周知している。
■EAP面談を導入し、巡回面談として対面またはオンラインで面談できる機会を年2 回設けている。 巡回面談以外でも、メール相談や電話相談窓口は常時設けており、EAPの専門家に相談可能となっている。
■がんの治療状況別に、治療と仕事の両立支援制度を一覧表に纏め、本人が相談しやすい環境づくりや、産業医・保健師・人事・総務スタッフが両立支援サポートを実施する際、スムーズなサポートができるよう工夫している。
■がん治療をしている社員への勤務上の配慮検討のために必要な情報は、社内保健スタッフが主治医と情報連携し、配慮検討に必要な情報展開を会社側(人事・総務スタッフ)に行っている。
■2021年4 月より、保健師による全従業員個別面談を実施。時間をかけて従業員一人ひとりの話を聞き、個別の健康状態や悩みを把握することにより、問題の早期発見・予防に努め、何事も相談しやすい職場づくりを心掛けている。
【5】健康増進支援
■定期健康診断1 0000%受診のためのフォローアップを実施。
■毎年3月の人間ドック申込み時期に合わせ、がん検診メニューと補助金申請方法等を案内する通知メールを配信。がん検診受診率の向上をめざしている。
■各執務室にデジタルサイネージを設置し、健康についてのプチ情報(生活習慣病予防策、がん・糖尿病・腎臓病について等)を随時配信し、従業員がいつでも新しい情報を得られるよう、気付きの機会を提供している。
■特定保健指導実施率向上のため、未実施者には保健師より個別に連絡・フォローアップしている。
■各執務室および建物内は全面禁煙としている。
■定期健診にて再検査となった従業員については、保健師より個別に連絡・フォローアップし、再検査受診率の向上に努めている。
■健診時の数値が一定以上となった場合には就業制限措置を実施している。
【6】その他の制度・体制
実際にがんに罹患し、治療を継続しながら職場復帰される方については、「職場復帰支援プログラム」に沿って、 通勤訓練や慣らし勤務 時短勤務 等、個人の治療方法や体調に合わせて柔軟に対応し、完全復帰をめざすよう配慮している。
働く人を支える風土、環境
【1】啓発、研修
■管理職研修や安全衛生委員会の中で、保健師から健康に関する情報発信を行うなど、頻回に保健師の活動を周知することで、がんに限らず、気になることや困ったことがあるときには、保健師に相談しやすい風土づくりをすすめている。
■定期的にがんセミナーを開催している。(約1回/年)
■『全国労働衛生週間』にあわせ、がんをはじめ、健康について考えてもらうきっかけとなるよう、健康関連教育(健康を保つために)を実施。実施後は理解度の把握と行動変容調査をForms にて実施し、健康意識の向上を図った。
【2】情報発信
■2018年9月より、四国4県にて「がんと就労を考える:がん予防と早期発見セミナー」を開催し、これまでに50 名以上が参加。 乳がん・食道がんを経験された日立グループ社員を講師にむかえ、検診・発見から治療・仕事の両立に至るまでの実体験談や、治療と仕事を両立する上で実際に利用した制度・工夫点などを伝えることで、自分や家族の健康について自分事として考えていただく機会としている。
講話後は、受講者同士で感想や疑問点、がんになっても安心して働き続けられる職場づくりについてシェアし、グループごとに発表の場を設けたり、セミナーの様子を社内イントラネットに掲載することで、全従業員へがんに対する意識啓発を図っている。
■人事・総務スタッフからは、がんに罹患したときに使える会社制度や、がん検診メニューと補助金制度、仕事と治療の両立支援サポート体制等の説明を行い、がんに罹患しても相談しやすい風土づくりをめざしている。
■がんについて考えるきっかけとなるよう、がんアライアワード受賞について社外ホームページに掲載し、社内でも情報を共有している。
■各種勤務・休暇制度について解説した「働き方ハンドブック」を社内イントラに掲載している。
■グループ会社にてがんり患者の詳細な体験談が公開されており、同内容を社員に周知することでがんに対する知識を深める機会を提供している。
【3】コミュニティ
■グループ会社にて開催されているコミュニティや座談会を紹介している。
【4】対外的な活動
■社外HPにてがんアライ宣言や自社の取組みを積極的に公表している。
【5】その他の風土・環境
■がんだけでなく、LGBT をはじめ、障がい者や病気治療中の方が、必要なときに相談しやすい風土づくりとして、 当社オリジナルの「ALLY ステッカー」を作成し、賛同者に配布。PC や携帯電話に貼ることで、ALLY の浸透と見える化を促進。
■当事者が不安にならないよう、社内イントラ上に「治療と仕事の両立支援」ホームページを開設して関連情報を掲載するとともに、パソコン起動時のポップアップメッセージやメールマガジンや等を利用して、プッシュ型の情報発信を行い、会社としてがんと就労の両立支援を実施している、という事が無意識に目に入るようにしている。
エピソード・思い
従業員だけでなく、家族ががんやその他の病気にかかった場合も、安心して働き続ける環境を整備するため、以下の取組を実施している。
・人間ドック時のオプションとして各種がん検診の受診を推奨しており、従業員とその家族を対象に、健康保険組合から補助金を支給している。
・開催するオンラインセミナーの一部は、家族と一緒に視聴できるよう開催時間を定時後に設定したり、セミナーに参加できなかった方のためにアーカイブ動画を公開することで、自分や家族の健康についてゆっくりと考える機会を作った。
【1】がんと就労の取り組みを始めたきっかけ
近年、がんと共存することが珍しくない時代となり、がんに罹患しても安心して働きつづけられる環境整備を検討していたところ、当社親会社「株式会社日立システムズ」の熱心な取り組みに共感し、連携を開始。セミナーで実体験談をお話しいただける講師の方を紹介いただき、がんの早期発見・早期治療の大切さ、がんに罹患しても安心して働きつづけられる制度やサポート体制等を伝えることで、従業員への意識付けの場を設けたことがきっかけ。
【2】他社の担当者への応援メッセージ
がんに罹患した人も働きやすい職場作りには、制度などの仕組み作りと職場の風土作りの両方が大切だと思います。一朝一夕にはいきませんが、企業全体で取り組み、より安心して働ける企業を一緒にめざしていきましょう!
講評・コメント
定期健康診断100%受診のためのフォローアップの実施やがん検診受診率向上に向けた取り組みなど、社員の健康増進支援をしっかりと進められています。
健康関連教育実施後に理解度の把握や行動変容調査を実施されており、教育・研修の効果を高めようとする工夫をされています。
※上記オレンジ色の枠内の項目は、がんアライアワード2023応募シートでチェックいただいた項目と同一のものです。