【がんアライアワード2023ゴールド】株式会社九州日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2023に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
ゴールド受賞:株式会社九州日立システムズ
業種:システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発
従業員数:569人
働く人を支える制度・ 体制
【1】がんと就労に関して、あるいは社員の健康や安全に関する基本方針等の表明
■健康経営宣言
2017年9月に健康経営宣言を制定。従業員と家族がともに健康な生活を送り、笑顔で充実して働くことができるよう健康の維持・向上の施策を積極的に推進し、健康に対する従業員の主体的な行動を支援。また、健康と安全の向上などの観点から健康経営の目標値を定め、その目標値を達成するために、さまざまな施策を展開。
■がんアライ宣言
がんアライアワード2020応募時に宣言。がんに罹患(疾病)しても、活躍し続けられる職場を目指し、風土づくり・相談できる環境づくり・制度に取り組んでいる。
■Sport in life コンソーシアム
スポーツ庁の取り組みに賛同し加盟。
■スポーツエールカンパニー
スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2022」認定。従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に積極的に取り組んでいる。
■外部ホームページにて各種取り組みを社外へ配信
【2】休暇制度
■休職制度
私傷病により長期にわたり欠勤したとき36ヵ月間。
■積立年休
翌休暇年度に繰入れられずに打ち切られた年次有給休暇のうち、4日を限度に積立年次有給休暇として積立てるもの。ただし、積立てられる日数は最大20日まで。
■半日単位の有給休暇
年次有給休暇について、半日単位で行使。
■時間単位年休
年次有給休暇について、1時間単位で行使。
■その他の休暇制度
不妊休暇、介護休暇etc。
【3】勤務制度
■フレックス勤務
フレキシブルタイムは午前5時より午後10時迄。コアタイム無。
■時差出勤
変則勤務制度を活用。
■短日数勤務制度
原則1週4日。特別な事情があり会社が認めた場合は、1週3日とすることがある。
■治療勤務(短時間勤務)制度
7時間、6.5時間、6時間、5時間)や、在宅勤務制度を利用可能。(働きながら治療を続けるニーズが高まっていることを受け、がん治療他を対象とした「治療勤務制度取扱規則」を2020年10月新たに制定)
【4】支援体制
■健康相談窓口
両立支援コーディネータを配置し、通知や社内イントラ等にて周知。
■保健師・産業医等医療職の支援
治療に関する相談、休職中の定期連絡、復職時の面談、就業配慮の意見。
■外部支援サービス
日立健康保険組合のベストドクターズサービス。専門医のご案内 セカンドオピニオン取得。
■上長との面談
目標、評価面談の他、定期に上長面談の機会あり。相談しやすい関係性づくりを構築。
■人事担当者との面談
入社5年目までの従業員は定期面談。その後も相談しやすい関係性づくりを構築。
■主治医意見書での情報連携
復職時に本人経由で取得、提出してもらう。産業医が確認し就業配慮について意見。総務部にて就業配慮を決定、上長・本人へ通達。
■復職支援プランの策定・実行
復職時に職場上長に6か月間の業務スケジュールを策定してもらう。復職面談で本人、産業医、総務部で情報共有。
■復職後のフォロー
産業医・保健師の定期面談。総務部、上長と面談結果を共有し、職場のケアをサポート。
【5】健康増進支援
■オプション検査費用補助
健康保険組合の補助に加え、事業所の費用補助を追加。ほぼ自己負担金なしでオプション検査を受けることが可能(2022年度から)。
■雇入時健診
「HBs抗原検査」「HCV抗体検査」「ピロリ菌抗体検査」を追加。若い年齢からがん予防。
■人間ドック費用の一部補助
35歳以上の従業員に対し、日立健康保険組合と事業所が一部費用補助。
■要再検査・要精密検査・要受診へのサポート
会社で把握した検査結果については、保健師が受診勧奨、経過確認を行う。
■定期的な保健師面談
1、3年目従業員へ定期面談。拠点勤務者へ年1、2回定期面談。
■禁煙プログラムの提供
日立健康保険組合の遠隔禁煙プログラムの利用推進。
■運動習慣獲得
タニタの活動量計、体組成計を従業員へ配布。測定を習慣化し、行動変容を後押し。
■健康増進イベント
各種健康セミナー(10月がん、9月睡眠、5月健康診断。その他日立保険がんセミナー)ウォークラリー(グループで歩数を競う)運動会、スポーツジムの体験等の集合イベント。
■アプリ配布
タニタ「からだカルテ」を配布。活動量、体組成のデータをモニタリングしながら運動、食事を改善し体重コントロールにつなげる。
■休憩室
本社1F、5F休憩スペース。無料で利用できるコーヒーメーカーを設置し、休憩、リフレッシュの機会を提供。
■その他
ファミリーデーで、スポーツ観戦、森林浴、歯科医の講話。従業員だけでなく、家族も含めた健康意識の向上を目指す。
【6】その他の制度・体制
■健康相談室の設置
健康に関する相談、面談を受けられる部屋を設置。保健師常勤。産業医2名非常勤で対応。
■両立支援コーディネータ(2名)配置
働く人を支える風土、環境
【1】啓発、研修
■がんセミナー
外部講師(日立保険)によるがん体験談。
■女性向けのがんに関するセミナー
乳がんを予防するブレストアウェアネス(23年2月)
■体験談を聞く機会の提供
がんサバイバーのセミナー(23年2月)闘病中の働き方、日常生活の工夫、メンタルetc。
【2】情報発信
■社内イントラ掲載:両立支援のページを開設。
【3】コミュニティ
なし
【4】対外的な活動
なし
【5】その他の風土・環境
■対応力の向上
両立支援コーディネーター基礎研修修了者を配備。総務部で受講を進め、相談体制を強化。
エピソード・思い
23年2月に対面とオンラインのハイブリット形式で、がんの体験談、乳がん予防のブレストアウェアネスに関するセミナーを開催することができた。今年度も同時期にがん体験者によるお話を予定しており、継続的に取り組む。
【1】がんと就労の取り組みを始めたきっかけ
がんに罹患する従業員が増加するなか、治療の必要性を理由とした就業の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら、働きがいを持ち続けられる会社を目ざし、取り組みを開始した。
【2】他社の担当者への応援メッセージ
がんになっても、安心して暮らしていける社会をめざして、アライの輪を広げ、一緒に頑張りましょう!
講評・コメント
がんサバイバーの話を聞く機会を設けることができるのは、会社と社員との間の信頼関係があるからこそですし、想像力だけではカバーしづらい治療と就労の両立の実態について知れるこの企画を実現させたことは素晴らしいです。
両立支援コーディネーターを2名配置されるなど、罹患社員が安心してはたき続けられる体制づくりを進められています。
※上記オレンジ色の枠内の項目は、がんアライアワード2023応募シートでチェックいただいた項目と同一のものです。