がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2023ゴールド】株式会社富士通ゼネラの「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2023ゴールド】株式会社富士通ゼネラの「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2023に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:株式会社富士通ゼネラル

業種:空調機、情報通信の両分野において、製品及び部品の開発、製造、販売及びサービスの提供

従業員数:単独:1,729名(2023年3月現在) 連結:8,335 名(2023年3月現在)

※施策はグループ会社も含む

https://www.fujitsu-general.com/jp/

働く人を支える制度・ 体制

 

【1】がんと就労に関して、あるいは社員の健康や安全に関する基本方針等の表明

健康経営宣言/がんアライ宣言

 

■健康宣言・トップメッセージ(健康経営宣言)

2017年にトップメッセージとして社内・社外向けに「富士通ゼネラル健康宣言」をしました。社員そして家族の健康を会社の財産ととらえ、人を思い活かす経営をすべての事業活動の基本とし、社員が健康で幸せを感じながら働くことを推進しています。同年に、健康経営推進室(現:健康経営推進部)を設立、社員が健康で気力を保ち、生産性とモチベーションの向上を図れる職場づくりを目指し、健康増進イベントを行うなど、社員の健康に寄与する取り組みを日々ブラッシュアップしながら進めています。

 

>>健康白書サイト:富士通ゼネラルグループ 健康白書 富士通ゼネラル JP (fujitsu general.com)

 

■がんアライ宣言

がんアライアワード2020に応募時から宣言しています。がんに限らず、様々な病気に罹患しても「誰もが能力を発揮し、チャレンジできる職場環境」を目指しており、社内イントラでの周知、社外向けの健康白書等を通じて、取り組みを公表しています。また、病気に罹患しても働きやすい会社であること、企業価値を向上させるためにも、HP やプレスリリースで受賞のお知らせを行っています。

 

【2】休暇制度

傷病・病気休暇制度/傷病・病気休職制度/半日単位の有給休暇取得

 

■傷病・病気休暇制度、半日単位の有給休暇取得

がんなどの疾患の治療のため休む場合、積立休暇を半日単位で取得することができます。

 

【3】勤務制度

時差出勤制度/フレックス勤務制度/在宅勤務(テレワーク)制度/試し出勤制度(復職前、業務は行わず一定期間継続して出勤する等の制度)/その他の勤務制度

 

■フレックスタイム制、時差出勤制度

病気治療などの事情がある場合は、個人単位での適用が可能です。

 

■在宅勤務制度

全社では一定のルールを設け在宅勤務の利用を可能としていますが、がん治療中に限らず体の事情がある従業員については、主治医・産業医の意見を踏まえ、一部ルールを適用除外とするなど、勤務を継続できるよう柔軟に運用しています。

 

■試し出勤制度

早期の復職を目指すことを目的に、面談を人事・職場・産業医・本人の4者間で行い、必要に応じてフォローを行います。さらに復職時にはすぐに業務を行うのではなく、まずは出社のみしてもらう期間を設けています。また、長期欠勤・休職者は、休んでいる間も、原則として定期的に産業保健スタッフと面談を行います。会社として経過確認を行うとともに、スムーズな復職に繋げることを目的としています。

 

■その他の勤務制度(傷病・病気休職制度)

傷病・病気により長期にわたり欠勤した場合、勤続年数に応じて病気休職制度を利用することができます。

 

【4】支援体制

社員相談窓口の設置/保健師・産業医等の医療職の支援/外部医療機関との連携/外部支援サービス(EAP 等)の活用/上司等との1 on1 、面談等の機会/主治医との書面上での情報連携/休職中のフォロー /(休職した場合)職場復帰支援プランの策定・実行/復職後のフォロー

 

■全社員面談(社員相談窓口の設置)、保健師・産業医等の医療職の支援

健康の教育、気軽に何でも相談できる関係作りを主な目的とし、全社員を対象に、産業医や保健師による健康面談(1回15分程度)を実施しています。

 

主な効果は、1.心身不調の早期発見、2.安全衛生リスクの早期発見、3. 健康教育、4. 様々な相談、5.健康経営の情報・交流です。業務から離れた立場の産業保健スタッフだからこそ、上司に相談しづらいことも、相談できるような場としています。

 

■外部医療機関との連携、主治医との書面上での情報連携

治療と就労の両立支援のため、産業医が積極的に関与し、本人の了承のもと主治医と情報連携を図り、就業上の配慮を検討し、会社と共に働き方を決定、両立支援につなげています。なお、主治医との情報連携の際には、「療養・就労両立支援指導」の仕組みを利用することで、主治医の協力が得やすくなるとともに、従業員(患者)の負担軽減につなげています。

 

■外部支援サービス(EAP等)の活用

「こころとからだの健康相談」24時間電話健康相談サービス(外部委託)を提供しています。日常生活での健康不安から、病気の予防、治療のフォローの相談や、セカンドオピニオンサービスの利用ができます。また、がんの罹患者及び疑いのある社員に特化した、がん相談コンシェルジュサービスも提供しています。豊富な経験と公的な専門資格を有したコンシェルジュが、がん罹患から社会復帰まで伴走し、不安や悩みの解消をサポートするサービスです。

 

■上司等との1on1、面談等の機会

2021年11月から全社制度として1on1ミーティングを実施しています。業務のみならず、プライベートについても会話をする機会を設けています。上司・部下の双方からコミュニケーションが取りやすい環境作りに取り組んでいます。

 

■休職中のフォロー、職場復帰支援プランの策定・実行、復職後のフォロー

長期欠勤・休職者は、休んでいる間も、原則として定期的に産業保健スタッフと面談を行います。会社として経過確認を行うとともに、スムーズな復職に繋げることを目的としています。休職後の復職手続きは、他の疾患同様、復職面談を人事・職場・産業医・本人の4者間で行い、勤務時に必要な配慮を確認し、その後も継続して定期的なフォローを行います。

 

【5】健康増進支援 

健康診断受診率増加に向けた取り組み/健康診断受診率100% 達成/がん等の任意検診受診費用の補助/人間ドッグ費用の一部補助/必要に応じた産業医・保健師の面談/定期的な産業医・保健師との面談/禁煙に関する取り組み/日常的な健康増進に関する取り組み(運動習慣獲得、食事管理、睡眠管理等)/健康増進イベントの開催/健康管理に関するアプリの配布/休憩室の整備/その他健康増進支援

 

■健康診断受診率増加に向けた取り組み、健康診断受診率100%達成

健康診断受診率増加のために、本社では、本社勤務者を対象に会社敷地内で、就業時間中に健康診断を受診できるように、神奈川県労働衛生福祉協会に手配しています。また、当社富士通ゼネラル単体では、健康診断受診率は100%達成しています(※グループでは99.85%)

 

>>健康白書5. 現状・課題: 富士通ゼネラルグループ 健康白書 富士通ゼネラルJP

 

■がん等の任意検診受診費用の補助

がん対策は早期発見・早期治療を基本として、法定健診時に合わせて、健康保険組合からの補助で胃がん・大腸がん・前立腺がん・乳がん・子宮がんの検診を実施しております。オプションで腹部超音波検査も可能です。腹部超音波の検査は、対象年齢は無料で受診できて、それ以外の年齢ではオプションで受診を可能としています。

 

また、乳がん検診も希望者はマンモグラフィーと乳房超音波検査の両方を受診できるようにしています。検診するだけではなく、結果に対するフォローも行っております。 

 

■人間ドッグ費用の一部補助

脳ドッグや肺のCTCT検査の希望者は、健康保険組合から一部費用補助を行い、受診の促進を図っています。

 

■必要に応じた産業医・保健師の面談

医師や産業保健スタッフとの面談を希望する場合、いつでも面談を実施することができます。例えば、健診結果を過去の結果と照らし合わせながらフィードバックを行い、不安に感じる内容を相談することもできます。また、健康診断時に限らず、産業保健スタッフにいつでも相談できる環境を整えています。(【1】<4>全社員面談)

 

■定期的な産業医・保健師との面談

健康の教育、気軽に何でも相談できる関係作りを主な目的とし、全社員を対象に、産業医や保健師による健康面談(1回15分程度)を実施しています。効果は5つ、1. 心身不調の早期発見、2.安全衛生リスクの早期発見、3.健康教育、4.様々な相談、5.健康経営の情報・交流です。業務から離れた立場の産業保健スタッフだからこそ、上司に相談しづらいことも、相談できるような場としています。(【1】<4>全社員面談)

 

■禁煙に関する取り組み

喫煙者で卒煙を希望している従業員を対象に、卒煙セミナーを開催しました。禁煙推進企業コンソーシアム事務局長より直々に講演してもらいました。卒煙を目指すための行動やメカニズムを学び、禁煙ガムを配布して喫煙者を減らす取り組みを行いました。

 

■日常的な健康増進に関する取り組み(運動習慣獲得、食事管理、睡眠管理等)

健康増進のため、運動習慣の定着や「野菜や果物を学ぶ」“食育マルシェ”、睡眠のメカニズムなど、様々な健康セミナーを開催しています。特に運動と食事面では、オンラインだけではなく、オフラインでの対面開催にこだわっています。運動習慣に定着に向けて当社の健康デザインセンターでヨガを実施したり、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師、アスレティックトレーナーなどの資格を有した方を招き、本格的なマッサージの施術や、ストレッチ、トレーニング方法を定期的に教えていただき習慣化できるようにイベントを開催しています。

 

また、「野菜や果物を学ぶ」“食育マルシェ”は隔月で開催しています。オンラインでも参加でき、様々な地域の社員の方が参加しています。特別価格で野菜の購入もでき、社員間のコミュニケーション促進や家族の健康をサポートしています。

 

■健康増進イベントの開催

がんについて考えるオンラインセミナーの専用サイトを開設し、公開しました。社員のみならず、家族も対象にし、5分程度のショートムービーを視聴できるように、社内イントラで告知をしました。

 

自身の健康に気付きを与えるために、健康デザインセンターのスペースの活用を推進しています。スペースはいつでも使用することが可能ですが、定期的にイベントを開催することで、利用機会の増加を目指しています。会員の登録をし、イベント期間中(約1週間)に利用することで、ポイントを付与、3ポイント貯めると、ドリンクコインをプレゼントしています。

 

■健康管理に関するアプリの配布

自社開発アプリの「健康いきいきチャレンジプログラム」を展開しています。健康でいきいきした生活(職場)を実現するため、従来のウォーキングアプリに加え、歩数以外の運動、栄養、休養等様々なカテゴリーの健康(生活)習慣の目標を設定して、楽しみながら行動変容を実現するためのアプリを利用したポイントプログラムです。常時利用可能ですが、楽しく継続して利用してもらうために、健康保険組合・労働組合と共同でイベントを定期的に開催しています。全国から参加があり、ポイント上位チームには素敵な賞品を贈っています。

 

■休憩室の整備

本社には健康デザインセンターという施設があります。こちらにはリフレッシュするスペースが設けられており、誰でもいつでも利用することができます。また、健康管理センターもあり、産業保健スタッフが常駐しており、体調不良者がベッドでスペースも設けられています。

 

>>健康デザインセンター:3. 組織・体制: 富士通ゼネラルグループ 健康白書 富士通ゼネラルJP

 

■その他健康増進支援

がん対策推進企業アクションに加入しており、がん検診の受診率向上を企業と連携して進めています。 企業が率先してがん検診受診を呼びかけ、早期治療・早期発見を目指しています。

 

働く人を支える風土、環境

 

【1】啓発、研修

社員向けのがんに関する研修/女性向けのがんに関する研修/がんに関するe ラーニングコンテンツの提供

 

■社員向けのがんに関する研修

管理監督者向けに、部下の心身の不調時の対応方法を研修しています。どのような行動やアドバイスが部下にとって適切な対応になるか様々な研修を実施し、学びの機会を提供しています。また、全社員を対象にメンタルヘルスに関するセルフケアや、体や心全般のセルフケアの研修も実施しています。

 

■女性向けのがんに関する研修

女性の健康をテーマにしたセミナーを実施しています(女性ホルモン・がん検診のすすめ・更年期など)。女性だけでなく男性にも参加してもらえるように呼びかけています。がんに関しては、乳がん・子宮頸がんの早期発見、早期治療を目的に基本的な知識を学ぶ機会を提供しました。性別を問わずにセミナーに参加することは、がんに関する知識を学ぶと同時に、部下・上司・同僚の立場としての理解を深めることができます。より働きやすい環境を目指しています。

 

■がんに関するe-ラーニングコンテンツの提供

がん対策推進企業アクションに加入しており、e-learningを無料で受講することができます。

 

【2】情報発信

イントラネット、社内ポータルサイト等での情報発信/社内報等での情報発信/両立支援に関するハンドブック・ガイドブックの配布/ポスター等の掲出

 

■イントラネット、社内ポータルサイト等での情報発信

保険会社様と連携し、富士通ゼネラルグループ社員向けのがん情報サイトを開設し、最新の情報をコラム形式で閲覧できるようにしています。定期的に社内イントラで案内することで、知識の向上に努めています。

 

■社内報等での情報発信

ヘルスパートナーである家族まで理解を深めてもらうために、広報誌(健保ニュース)を作成し、年に3回発刊しています。健康リテラシーの向上や意識を高めてもらうことを目的にしており、最新の正確ながん情報も掲載しています。

 

■両立支援に関するハンドブック・ガイドブックの配布

「育児・介護・治療 両立支援ハンドブック」を用意し、全従業員が社内のイントラネットで閲覧可能としています。育児・介護・病気治療と仕事の両立支援をテーマに、当社の制度やよくある質問・体験談などを紹介し、わかりやすく支援制度をまとめています。地方拠点に関しては、一拠点ごとに足を運び、健康に関する施策の説明やガイドブックの配布を実施しています。より会社や行政の制度の理解を深めてもらうように継続していきます。

 

■ポスター等の掲出

神奈川県政策局で作成している女性の健康に関するポスターを掲載しました。健康デザインセンターは利用人数が多いため、目に入りやすい場所に掲示しております。社員の更なる健康リテラシー向上を目指しています。

 

【3】コミュニティ

なし

 

【4】対外的な活動

がんに関する社会的な活動への協賛/その他の対外的な活動

 

■その他の対外的な活動

地域の企業支援や、対外的な講演イベントを通じて、意見交換や健康支援を実施しています。がんなどの病気に限らず、健康という大きな枠で当社の取組みを対外的に発信しています。健康経営導入を目指す企業や団体へ支援を通じて、社会全体が働きやすい風土・環境に変わっていくことを目指します。

 

【5】その他の風土・環境

保険会社様と連携し、当社員向けに特設したがん情報サイトから、当社限定で割安な保険料で加入できるプ ランを用意しています。罹患後の生活の備えとして社員に紹介しています。

 

エピソード・思い

 

■以下、肺がんに罹患した社員のエピソードになります。

不安な気持ちでいっぱいの中、がんの宣告を受けた翌日に上司に報告しました。全社員が「育児・介護・治療両立支援ハンドブック」を共有し、「治療と就業の両立」研修を受講していたこともあり、様々なアドバイスをいただくことができ、不安が和らぎました。実際に治療が始まると、罹患してから入院するまで約1 か月の期間があり、検査通院と出社を繰り返しました。

 

不安が募る治療中に、高額な医療費用が健康保険の付加給付により低額の負担で済んだこと、積立休暇制度が精神面と経済面でとても助かったこと、復職前に上司・産業スタッフ・人事部・本人の4 名で面談をし、主治医の指示のもと、以前と変わらずに復職することができたことなど不安が解消されました。

 

治療の終了後も、検査による通院も積立休暇を利用できるので、3年経過後も安心してがんと向き合えています。これも連携をとれた会社の風土・環境・仕組みがあったからだと感じています。

 

【1】がんと就労の取り組みを始めたきっかけ

なし

 

【2】他社の担当者への応援メッセージ

がんについて、少しでも理解を深め、働きやすい社会を作っていきましょう!

 

講評・コメント

 

産業医や保健師による健康面談や1on1 ミーティングなど面談の機会が豊富で、困ったときに相談できる体制を整えられています。

 

がん等の任意検診受診費用の補助、人間ドック費用補助、各種健康セミナー、イベント、アプリなど健康増進に関する取り組みも幅広く進められていて、安心して働ける環境を作られています。

 

罹患社員の方のコメントからも、上司・産業スタッフ・人事部が、主治医とも連携しながら支えている様子が伺えます。

 

※上記オレンジ色の枠内の項目は、がんアライアワード2023応募シートでチェックいただいた項目と同一のものです。

 

>>「がんアライアワード2023」受賞企業一覧はこちら

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