【がんアライアワード2023シルバー】株式会社encycloの「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2023に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
シルバー受賞:株式会社encyclo
業種:がん経験者向けレッグウェア、インナーウェアの企画販売
従業員数:2名
働く人を支える制度・ 体制
【1】がんと就労に関して、あるいは社員の健康や安全に関する基本方針等の表明
※ポーラオルビスグループ全体での制度・体制
ポーラ・オルビスグループでは、健康がグループ理念で重要視している多様な個性・感受性を育み発揮するための源泉であると認識し、2017年に「ポーラ・オルビスグループ健康経営宣言」を取締役会での決議を経て策定。
「ポーラ・オルビスグループ健康経営宣言」概略
ポーラ・オルビスグループにおける「健康」は創業以来、お客さまに寄り添い、お客さまを想い、商品・サービスを提供してきた歴史を紡ぎ未来に向けて、感受性のスイッチを全開にし、常に新しい価値を生み出すための源泉です。
従業員一人ひとりが健康であってこそ他者を想いやり、また自分らしく、彩りに満ちた人生を送ることができると考えています。
ポーラ・オルビスグループでは、グループ理念を体現していくために従業員の心身の健康を経営の重要課題として位置づけ従業員とその家族とともに、健康づくりに取り組んでまいります。
【2】休暇制度
■私傷病休職制度
私傷病を理由に長期にお休みが必要と判断される場合、有給休暇とは別に最長2年間の休職取得が可能。
■時間有休制度/半日有休制度を導入し、療養等のプライベート事情を踏まえた柔軟な休暇取得が可能
【3】勤務制度
■フレックス勤務制度
コアタイム13:00-14:00のフレックス勤務制度を導入。
■試し勤務制度
復職前に一定期間(期間は原則1ヶ月間)オフィスに出勤して、継続的に出社できる状態かどうかを本人と会社の双方で確認しあう。
■在宅(リモート)勤務制度
リモートワークは自宅に限らず、場所は問わない。サテライトオフィスも有。
【4】支援体制
■産業保健組織として健康管理センターを設置。保健師・看護師・産業医・婦人科医師・心理士を配置
■婦人科医師による社員相談窓口を配置
■稼働日については医療職者による健康相談の実施が可能
■産業医・婦人科医師による紹介状発行・外部医療機関との連携
■産業医・婦人科医師と主治医との書面等を通じた情報連携
■医療職者による治療・仕事の両立支援を、上長・人事と連携し実行。会社書式の診断書フォーマットを用い、詳細情報を把握のうえ、治療に必要な配慮事項を踏まえた支援プランを作成
■私傷病休職者に対し、休職中の保健師・看護師支援を定期的に実施
■私傷病休職者に対し、会社書式の診断書フォーマットを用い、詳細情報を把握のうえ、産業医による復職判定、治療に必要な配慮事項を踏まえた支援プランを作成
■復職後も、産業医・保健師・看護師による定期フォローを実施
■このほかに「ルナルナOffice」を導入し、医療機関と連携したオンライン診療サービスを提供し、婦人科受診と漢方薬などの処方・配 送をはじめ、婦人科医師監修のセミナー動画を配信することで、更年期に伴う症状など、働く女性が直面する健 康課題の改善をより幅広く支援
【5】健康増進支援
■健康診断受診率100%を必須目標とし、方針リリース・定期督促を実施
■定期健康診断のメニューが人間ドッグ同等であり充実化している
■胃・子宮・乳房等、各種がん検診をオプション化し、自己負担なしかつ健診とワンストップでの受診が可能
■再検査1回目については公用外出扱いとし、交通費も支給
■全社員の健診結果を産業医が判定し、有所見者に対し複数回の受診勧奨を実施。ハイリスク者は再受診を必須化し、産業医面談等でもフォロー
■卒煙・受動喫煙の対策として、就業時間内の完全禁煙をガイドライン化。また健保保健事業として卒煙アプリの導入、年1回のグループ卒煙キャンペーンを開催
■婦人科医師・外部講師等による健康増進のセミナーを開催
■健康プラットフォーム(Pep UP)を導入し、日常的な健康管理・リテラシー向上策を実行
【6】その他の制度・体制
グループ会社であるPOLAの販売現場と連携し、婦人科がんの後遺症である「リンパ浮腫」を発症された販売スタッフ、およびお客様に対し、各種情報提供と、ケアに必要な医療用弾性ストッキングを安心して購入いただけるしくみを構築。
働く人を支える風土、環境
【1】啓発、研修
■リンパ浮腫の患者団体の主催する「リンパ浮腫と就労」シンポジウムにて、経験者として、リンパ浮腫と就労をどのように両立しているか、講演を実施。
■Lymph Happy Days!
世界リンパ浮腫デーに、患者・医療者・地域・地域が一体となって、リンパ浮腫の啓発と、リンパ浮腫患者のサポートを目的として行うイベント。企業としての協賛と、当事者としてのボランティア参加。
【2】情報発信
がんの後遺症「リンパ浮腫」にお悩みの方、および重度のむくみにお悩みの方に自社メディア「むくみラボ」「encycloStyle」を通して、正しいケアの方法の情報提供を実施。
【3】コミュニティ
外部の患者団体や、支援団体と協力して、イベント実施や協賛などを行い、啓発に努めている
・リンネット様
がん治療の後遺症「リンパ浮腫」の患者支援と治療環境改善を目指し活動する全国患者団体。当社では、コラボイベント等を通じて、各種協力、情報提供を行っています。
・キャンサーフィットネス様
がん患者さんのヘルスケアをサポートする運動教室・講座を開催。当社では、コラボイベント等を通じて、各種協力、情報提供を行っています。
・リレー・フォー・ライフ川越(リンパチーム)
がん啓発イベントRFLへ、「チームリンパ」として参加。リンパ浮腫の仲間同士で、浴衣を着てウォークする取り組みに2年連続参加。
【4】対外的な活動
■がん対策推進企業アクション女性会議「Working RIBBON(W RIBBON)」へオフィシャルサポーターとして参画。実態と取り組みの共有と、提言検討に参画。
■事業を通じて、がんの後遺症「リンパ浮腫」について発信。ケア用品の企画開発。
■患者団体「ピアリング」様共催のイベントにて、リンパ浮腫ケアについての患者様向けセミナーを実施
■がんと就労の両立に取り組む企業にて、体験者としての講演を実施(22年7月以降4社:日興アセットマネジメント様、セガサミーHD様、アステラス製薬様、山口ファイナンシャルグループ様)
<1>啓発・研修にも記入しましたが…
■リンパ浮腫の患者団体の主催する「リンパ浮腫と就労」シンポジウムにて、経験者として、リンパ浮腫と就労をどのように両立しているか、講演を実施。
■Lymph Happy Days!
世界リンパ浮腫デーに、患者・医療者・地域・地域が一体となって、リンパ浮腫の啓発と、リンパ浮腫患者のサポートを目的として行うイベント。企業としての協賛と、当事者としてのボランティア参加。
エピソード・思い
【1】がんと就労の取り組みを始めたきっかけ
婦人科がんを経験した 当社代表の水田悠子、ポーラ在籍中に「がん共生プログラム」という両立支援策を立ち上げた共同創業者の齋藤が株式会社encycloを立ち上げており、当社においてがん治療と仕事の両立というのは事業の源となっております。
【2】他社の担当者への応援メッセージ
数年前に比べて、がんと就労は前進しているように感じます。でもまだ定着にはもう1歩。社内には、正社員、パート従業員、派遣社員、嘱託社員、フリーランスの方、など様々な立場の方がいらっしゃるとので、そのような方も、がんになっても安心して働けるような就労環境になることを祈っております。
がん治療と就労の両立の仕組みが整うことは、そのほかの方々(育児、介護、その他の疾病を抱える方、健康な方はもちろん)が働きやすく、頑張れる環境になることとイコールですので、このことをきっかけに、働く人すべてがイキイキと楽しく働ける企業になるはずです!
また、当社では、がん経験者にインタビューすることも多いのですが、就労の制度でお悩みになる方と同じくらい、生活環境の中での不便さを語られる方が多いです。がんアライ部にご参画の企業様は、各事業においてできる範囲で、社会環境の整備や製品、サービスでの対応もご検討いただきたいと思います。
場合によってはコラボして良いものを社会に発信していきたいです。これからもよろしくお願いします。
講評・コメント
治療と就労と両立支援の課題が事業と密接に関わられており、コミュニティ運営や新規施策の企画運営をパワーアップされています。
貴社の様々な取り組みは、がんアライの輪を広げることにつながります。社内外に向けた継続的な取り組みを期待しております。
※上記オレンジ色の枠内の項目は、がんアライアワード2023応募シートでチェックいただいた項目と同一のものです。