【がんアライアワード2021 ゴールド】日鉄興和不動産株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
ゴールド受賞:日鉄興和不動産株式会社
事業内容:不動産業
従業員数:518人
ウェブサイト:https://www.nskre.co.jp/
取り組みのきっかけやエピソード
・ここ数年の間にもがんを原因として、在職中に亡くなった社員がおり、まずはがん罹患の予防のための検診機会 を増やすことと、社員自らが自身の健康維持に対して意識するための枠組作りから当社の健康経営がスタート致しました。
・今現在も、産業医面談、保健師面談、人事面談の際にがん罹患中である旨を伝えてくれる社員が数名おりますが、本人が自身の上司や同僚に気兼ねなく相談し、安心して治療を続けながら働き続けることが出来る体制をより充実させることが、当社の次の取組みであると考えています。
・その他、がん罹患者に特化したサポート(保険制度等)の整備を検討中です。
・本人のがん罹患のみならず、ご家族の介護などの事情により、就労が困難になる社員に対しては、これまでも個別で就労支援を行ってまいりました。
・衛生委員会で、がんに関する知識向上を審議事項とする他、専門医によるがんセミナーの開催を検討しています。
・さまざまな事情を抱えた社員が当社で長く活き活きと働き続けることが出来るように、これからも会社をあげて、社員の健康サポートに積極的に取り組み続けていきます。
風土づくり
◆「健康第一」の組織風土醸成のために、社員の健康やメンタル面の管理・サポートが大切な経営課題であることを社長から社員に向けたメッセージとしてメルマガ、社内報で発信している他、社外に向けても「健康経営宣言」として当社の健康経営の基本的な考え方・方向性を公表しています。
◆全社向けの健康増進セミナーを定期的に開催し、社員の健康維持・増進を進める他、社員が健康管理のため傷病等で休職となった場合でも、病気欠勤開始から半年及び休職開始から半年は給与を全額支給し、経済面での不安を解消する制度やがんを始めとした任意検診受診費用の補助制度や、積立休暇制度等、治療と就業を両立しやすいしくみを整えています。
◆健康維持の基本は、定期健康診断の受診・再検査と考え、健保組合の検診施設に加え、近隣の施設に検診の実施を委託し、年間を通して検診を実施できる環境を整備し、社員が自身の健康状態を確認しやすい環境を整備しました。
相談できる環境づくり
◆上司とは半年に一回、業務に関する事項を中心とした個人面談を行う制度がありますが、それに加え1on1ミーティングの実施を積極的に進めており、病気やプライベートを相談できる体制を整え、コニュニケーションの活性化を図っています。
・また、上司には話しにくい内容を相談できる体制として人事部が全員面談を実施し、全社一丸となり、社員のサポートを行っています。
◆産業医と連携し、各医療機関への紹介を行う他、ビル内テナントの医療機関と親密な関係を構築しており、急病人の対応や専門病院や専門医へのネットワークも充実しているため、がん罹患の際のセカンドオピニオンの紹介なども希望に合わせて対応可能です。
・社員が健康について、産業医に直接相談出来る日を月2回から4回に増やし、自身の体調のことだけではなく、家族の健康についてもサポート出来る体制を整えています。
・産業保健スタッフとしては産業医以外にも保健師が月6回、相談業務を担当する他、定期健康診断結果を個別に確認し、紙面からでは伝わりにくい、結果の詳細のフォローを行い、精密検査の受診に結びつけている他、女性の体調を理解してもらうための管理職セミナー講師等、社員の健康管理にきめ細かく対応しています。
・また、健保組合や保険会社の健康相談ダイヤル等、人事を通さずに直接相談できる窓口も設置しています。
制度・配慮
◆がんや脳疾患罹患予防のための、任意検診受診費用の一部を負担する補助制度があります。
・本制度は、社員を支える家族でも利用することが可能です。
・その他、55歳以上の社員を対象としたがんの早期発見に資する【PET検診】費用を補助する制度を、多数の社員が利用しております。
◆定期健康診断についても、法定項目に加えた検査項目を当社で追加し、実施等、がんの早期発見の機会を設定している他、がん治療の際にも利用可能な積立休暇制度(最大50日)に加えて、長期のがん治療等で更に休暇が必要な人に対し、他の社員が自身の積立休暇を寄付することができる「特別積立休暇制度」を本年よりスタート致しました。
◆治療にかかる費用負担に対しては、がん罹患者の治療費用にも利用できるカフェテリアプラン制度を全社員に適用しています。
◆治療のための通院等により、通勤が困難な社員には、テレワーク活用を推進しており、コロナ禍における運用として拡大運用していた在宅勤務・時差出勤・サテライトオフィス勤務等に加えて正式にフレックスタイム制度を制定し、働きやすい環境を強化致しました。
講評・コメント
・産業医に直接相談できる日を月2日から4回に増やされたり、保健師への相談ができる体制(月6回)を整えるなど、社員の健康管理をすすめ、相談できる環境づくりを進められています。
・長期のがん治療等で積み立て休暇制度(最大50日)を上回る休暇が必要な人に対し、他の社員が自身の積立休暇を寄付することができる「特別積立休暇制度」を開始されています。正式にフレックスタイム制度を制定されたことなどともあわせて、罹患者にとって働きやすい制度づくりをさらに進められています。