【がんアライアワード2021 シルバー】コカ・コーラ ボトラーズ ジャパン株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
シルバー受賞:コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
事業内容:製造業、卸売業
従業員数:10,276人(コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社単体、2020年12月31日現在)
ウェブサイト:https://www.ccbji.co.jp/
取り組みのきっかけやエピソード
◆2018年に「コカ・コーライーストジャパン株式会社」と「コカ・コーラウエスト株式会社」が合併。それぞれの会社で「がん治療と仕事の両立」に繋がるよい制度を保有していたことから、制度の継続および認知度を高める活動を実施しています。
◆近年は、高度医療、治療方法等の進歩により、かつて離職をせざるを得なかった病も治療をしながら「⾧く付き合う病気」に変化してきていますが、疾病の早期発見が非常に重要です。
このため、疾病の早期発見のための検査費用補助から、通院や休職時、復職後に利用可能な制度を提供するなど、疾病と向きながら働き続けるためのさまざまなサポートを行っています。
風土づくり
◆体制
社員の健康と安全を第一に考え、またそれを推進するため、2020年1月より健康安全推進課を新設。産業医や保健師と一体となり、サポートに努めています。
また、ワーク・ライフ・バランスやダイバーシティ&インクルージョンを推進する部門では、社員の健康確保や疾病・障害を抱えながら仕事と両立ができる取組が重要と考え、認知度向上を目的にサポートブックを作成する等、さまざまな部門が関与しながら社員の健康と安全サポートしています。
◆健康リテラシー向上にむけて
社内SNSを活用し、週に1度、保健師がメルマガを配信しています。例えば、がんなどの疾病情報、新型コロナウイルスやワクチン接種に関する正しい知識の周知、時にはラジオ体操の推進等、健康に関するあらゆる情報を発信し、関心を高めてもらう工夫を行っています。SNSによる発信のため、感想を伝えてくれる社員もあり、交流の場となっています。
◆働きやすい風土づくり
ダイバーシティー&インクルージョンのビジョンとして、「社員一人ひとりの多様性を尊重することで、性別、年齢、障がいの有無、国籍、性的指向、性自認または表現等の属性、また就労における様々な制約要因に関わらず、すべての社員が能力を最大限に発揮できる機会を提供すること」が、会社の成功に不可欠だと考え、この考え方を社内外に発信し、風土づくりに努めています。
(就労における制約要因とは、がんも含めた疾病等による制約も含めた考え)
◆制度面では、コアタイムのないフレックス制度、通院時に利用可能な時差出勤制度、復職後の時短制度等を導入し、疾病を抱えていても働き続けられるよう、サポートしていています。
相談できる環境づくり
複数のサポート体制を整備し、一人で悩まず、まずは相談する環境醸成に努めています。
◆人事サポート
人事部門に各部門を専門にサポートする部署を設置(ビジネスパートナー)。各部門の業務を理解し、働きやすい風土づくりや適切な人事配置が行われるようにサポートしています。
例えば、がんを含む疾病に罹患した場合、担当のビジネスパートナーが本人や上司に対し、治療をしながら働き続けられる環境、休職した場合は、産業医と相談しながら各自にあったプログラム設定し、無理なく復職できるよう環境の整備に努めています。
◆産業保健サポート
・保健師への相談は、随時受付し、必要に応じて産業医と連携する等、医療従事者からのサポートも強化しています。
◆社外相談窓口
・プライベートの相談は、社内担当者にし辛い社員も多くいることから、社外相談窓口も設置しています。
制度・配慮
◆がんを早期発見するための取組
定期健康診断では発見し難いがんを早期発見するために、定期健康診断とは別に人間ドック受診勧奨を行うとともに、費用サポートをおこなっています。
◆がん治療を支援する制度
・休職および給与補填
休職期間は最大で33か月*取得可能であり、また、この期間は、安心して治療に専念してもらうため、共済会より給与補填を行っています。
(*これに加えて自分の年次有給や年次有給が失効した際に積立可能な有給休暇の使用も可能)
・罹患時または復職後
・時間単位の有給取得:1時間単位で取得可能
・時差出勤制度:治療、検査又は経過観察等のために通院する場合
・短時間勤務制度:治療や療養後の通院や業務負担軽減が必要な場合
・特別有給休暇制度:治療や検査又は経過観察等のために通院する場合
その他、在宅勤務の推奨、コアタイムのないフレックス制度の活用等、疾病を抱えていても働き続けられるよう、さまざまな制度でもサポートを行っています。
◆制度を活用してもらうために
風土づくりにも記載した「ダイバーシティーインクルージョンのビジョン」に基づき、「育児」、「介護」、「病気」といった就労における制約がありながらも制度を上手に活用し、就労継続を支援していくことができるようサポートブックを作成。
うち、病気に関するサポートブックについては、制度の気になるポイントにフォーカスし、必要な情報を掲載しています。近年は、高度医療、治療方法等の進歩により、かつて離職をせざるを得なかった病も治療をしながら「⾧く付き合う病気」に変化してきており、従業員が疾病・障害を抱えながらも仕事と両立ができるよう取組んでいます。
講評・コメント
・サポートブックを作成するなど社員の健康確保や病気と仕事と両立を支える取り組みを進められています。
・人事部門にビジネスパートナー部を設置し、働きやすい風土づくりや適切な人事配置を実現する体制を作っていることで、がんに罹患した場合でも治療をしながら働き続けられるサポートが受けやすくなっています。