がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2022シルバー】東洋製罐株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2022シルバー】東洋製罐株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

シルバー受賞:東洋製罐株式会社

業種: 製造業

従業員数: 2,543名

https://www.toyo-seikan.co.jp/

取り組みのきっかけ

 

現在全社で取り組んでいる「働き方3.0プロジェクト」において、「仕事と治療の両立支援」はその中でも重要なテーマの1つであると捉え、2021年度より活動に取り組んでいます。

 

風土づくり

 

◆全社プロジェクトにおける経営課題テーマの1つとして活動

当社は2018年度より「働き方3.0プロジェクト」に取り組んでおり、このプロジェクトは「働き方の改革」「ダイバーシティ推進」「健康経営推進」を三本柱としています。中でも「仕事と治療の両立支援」は、「健康経営推進」における重要なテーマの1つとして掲げています。従業員の心身の健康を目指す一方、もし従業員が病気に罹患した場合でも、会社は治療に専念できる環境の整備や、就業継続のサポートをする必要があると考えます。これらについて、自社の健康保険組合と協働で各種施策を実行しております。

 

◆仕事と治療の両立支援に向けたトップメッセージの発信

仕事と治療の両立支援に向けて、担当役員によるメッセージを社内報に掲載しました。メッセージを通じて従業員に会社の方針を広く周知するとともに、後述の両立支援ハンドブックを掲載し、活動の更なるPRに努めました。

 

◆「仕事と治療の両立支援ハンドブック」を作成

「当社は仕事と治療の両立を支援しています」というメッセージを従業員に広く発信するべく、2021年4月に健康保険組合と協働で「仕事と治療の両立支援ハンドブック」を作成しました。病気に罹患した際に使える勤務制度や収入面の補填、困った時の相談窓口等について明記し、従業員目線のQ&A形式でまとめました。従業員にとって読みやすく、また不安を和らげられるような冊子を目指して作成しました。この冊子はデータ形式で社内イントラに掲示して周知した他、PCを所有しない製造現場の従業員については、各事業所の看護職および労務担当課長を通じて全社展開を行いました。

本ハンドブックを更に活用して頂くことを目的に、今年度は定期健康診断の結果が返却され、従業員の健康意識が高まる6月に再度周知・展開を実施しました。また、ハンドブックの中身の更新に加え、表紙にイラストを掲載することで、より手にとって貰えるような工夫を加えました。

 

◆多様な働き方の実現

それぞれの事情に応じた多様な働き方の実現に向けて、テレワーク勤務(在宅・サテライトオフィス)を導入しています。また、2020年度は既存のフレックス勤務制度についても見直しを行い、コアタイムに関するルールなどを緩和することで、より柔軟な勤務を可能としました。これらの勤務制度は主に本社・開発部門のみ適用としていましたが、2021年度より生産拠点である各工場にも徐々に拡大しています。今年度は新たに3工場がフレックス勤務対象事業所に加わりました。

 

◆「健康経営優良法人2022大規模法人部門(ホワイト500)」取得

当社の健康経営推進活動が評価され、今年度3年連続で『ホワイト500』に認定されました。

 

◆従業員意識調査における健康経営推進活動に関する効果測定

毎年実施している従業員意識調査にて、当社が実施している健康経営推進活動についての満足度や個人の健康意識を確認し、その結果を次年度の活動に活かしています。直近では、コロナ禍の影響もあり自身の健康管理が疎かになっている従業員の割合が高かったことを受け、コロナ禍でも実施出来る健康増進活動などを実施しました。

 

相談できる環境づくり

 

◆全事業所に看護職を配置し、従業員の健康管理や健康経営推進を実施しています。また、定期健康診断の結果、ハイリスク者に対しては、受診勧奨また生活習慣を見直すための保健指導を行い、がんの早期発見および予防に繋げています。

 

◆毎月、産業医が来社する日程を従業員に周知し、誰でも気軽に相談しやすい雰囲気作りに努めています。

 

◆産業医・看護職・上司・人事担当が連携し、個々人に応じた復職プログラムを検討・実施しています。

 

◆第三者機関に委託し、健康相談ダイヤルを開設しています。自身や家族の健康に関する悩み相談が電話・WEBを通じていつでも可能です。

 

制度

 

◆各種検診について、健保組合による費用補助

・一定年齢の従業員に対して、胃部X線・大腸癌検診、前立腺がん検診を会社の定期健康診断時にあわせて実施。(費用全額補助)

 

・女性従業員の希望者全員に対して、婦人科検診の費用を全額補助。

 

・人間ドック、単独検診について上限4万円まで費用補助。

 

◆卒煙サポート

禁煙外来、オンライン卒煙プログラム、パッチを使った禁煙プログラムなど、各種サポートを実施。(健保組合による費用補助あり。禁煙外来については自己負担額25,000円まで補助、その他については全額補助)

 

◆その他、予防に向けた取り組み、イベントの開催

・活動量計の無償貸与(日々の歩数や消費カロリー確認を促進。オフィスに設置してある体組成計・血圧計の測定データとあわせて、より詳しいデータ管理も可能)

 

・健康増進のための各種イベントを開催。今年度は歩数計やアプリを用いた歩数イベントを開催し、従業員が社長と歩数を競うなど、楽しんで健康増進に取り組めるような企画を実施しました。

 

・野菜摂取量測定イベントを開催。専用機器に手のひらを当てるだけで野菜摂取の充足度をチェックできるもので、従業員が参加したいと思えるようなイベントになるよう工夫をしています。

 

・歯科検診の実施。歯の健康は生活習慣病予防にもつながるとして、気軽に虫歯チェックや口腔ケアを受けられるよう、年1回各事業所にて実施しています。

 

◆女性の健康セミナーの開催

事業所に専門医を招き、女性の健康セミナーを開催しました。女性特有の子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを中心に、がん検診やワクチンについてお話いただきました。参加者からは「身体の仕組みや健康管理について知ることができた」などの声をいただきました。

 

◆休業中の金銭面のサポート

・休職中も最長2年間、最大で本給の1/2を支給。(期間および支給額は勤続年数に応じて変動)

 

・傷病手当金について、法定給付期間(通算1年6ヶ月)を超える場合は、更にその後最長3ヶ月経過するまで健保組合から手当金を支給。

 

・高額療養費制度(個人負担は1ヶ月につき最大21,000円まで。超過分は健保組合が付加給付)

 

◆両立支援に関する勤務制度

・フレックス、テレワーク(在宅・サテライトオフィス)、時差勤務制度

(テレワークについては勤務途中の中抜けを認めており、通院なども可能です)

 

・失効有給休暇※ (最大50日積立)の利用が可能。

(※失効有給休暇・・・2年を経過し失効した年次有給休暇について積立保存する制度)

 

・復職者休暇(傷病による休職から復職した際、復職時点での年次有給休暇が5日に満たない場合、その不足する日数を復職者休暇として付与しています)

  

抱負

 

昨年度は初めてがんアライアワードに応募し、シルバーを受賞することができました。受賞の報告を社内報や会社HPに掲載したことで、従業員からも前向きな反応をいただきました。活動を少しずつでも充実させながら、しっかりと継続していくことが重要と考え、引き続き着実に仕事と治療の両立支援活動に取り組んでいきたいと思います。

 

講評・コメント

 

・仕事と治療の両立支援に向けて、担当役員によるメッセージ発信や、両立支援ハンドブックを作成されるなど社内周知活動を進められています。

 

・従業員意識調査を実施し、健康経営推進活動についての満足度や個人の健康意識を確認、次年度の活動に活かすななど積極的な取組を継続されています。

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