がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2022 ゴールド】株式会社日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2022 ゴールド】株式会社日立システムズの「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2022に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:株式会社日立システムズ

業種:システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発

従業員数:9,838名(2022年3月31日現在)

https://www.hitachi-systems.com/

取り組みのきっかけ

 

社内のメンバーががんに罹患。病気が発覚し、今後の治療や仕事のことで不安に思っていたところ、同じ病気の体験者に相談にのってもらえたことで不安が解消され、現在は治療と仕事を両立して活躍している。

 

そのメンバーから、「自分自身の経験を生かして、がんの早期発見・早期治療の大切さを伝え、がんに罹患しても安心して働きつづけられる制度やサポート体制があることを伝えたい」という申し出があり、健康経営・ダイバーシティ部門の担当者がこれに共感して、取り組みを開始した。

 

風土づくり

 

◆日立グループのがん経験者による「がんと就労を考える:がん予防と早期発見セミナー」を全国で開催し、2017年11月から全国28か所で累計700名以上が参加。 

 

検診・発見から治療・仕事の両立に至るまでの体験談や、実際に利用した制度・工夫などを伝え、自分や家族の健康について考える機会としている。

 

2021年度はセミナー動画をオンラインで公開し、現在までに約900名が視聴(2022年9月時点)

 

◆がんへの理解や予防・早期発見に向けて「禁煙セミナー」「働く女性の健康セミナー」「乳がん啓発セミナー」「子宮頸がん啓発セミナー」等の開催や、治療と仕事の両立に向けた講演会などを開催。

 

・2021年度は次のオンラインセミナーを開催し、アーカイブ動画を公開。

 5月:禁煙セミナー

 6月:乳がん検診セミナー(基礎知識、各種検査の特徴、セルフケア、社内乳がん経験者との対談など)

 

・また、セミナー内で、社内保健スタッフから、がん検診メニューと補助金制度、両立支援制度、仕事と治療の両立支援サポート体制等の説明を実施し、がんに罹患しても相談しやすい風土づくりをめざしている。

 

◆2020年11月の社長メッセージで、がん予防と早期発見に向けた検診受診のお願いなど、健康に関するメッセージを発信した。

 

・また、コロナ禍による原則在宅勤務の長期化を受け、産業医や保健師によるリモート面談、健康相談窓口の周知、保健師メールマガジン等を発信し、体調面の変化が生じたら気軽に相談していただくよう周知している。

 

◆2022年1月 株式会社日立保険サービスと協力し、日立グループのがん経験者による座談会を開催。治療のこと、家庭や仕事との両立、早期発見に向けた検診の重要性など、本音トークをレポートにして社内外に公開した。

https://www.hitachi-hoken.co.jp/woman/experience/p28-01.html

 

相談できる環境づくり

 

◆産業医・保健師、人事・総務、所属上長、社外のEAPが一体となった両立支援サポート体制を立ち上げ、ホームページやセミナー等を通じて周知している。また、がんの治療状況別に利用できる支援制度を一覧表にまとめたものを活用するなど、スムーズなサポートができるよう工夫している。

 

◆定期健康診断やがん検診で精密検査の指示を受けた社員には保健師が個別にフォローしている。

 

また、管理職研修の中で、保健師から健康に関する講話を実施するなど、保健師の活動を社内に周知することで、がんに限らず気になることや困ったときには保健師に相談しやすい風土づくりをすすめている。

 

◆管理職を推進役に「がん治療と仕事の両立」をテーマとした職場ミーティングを2019年12月に実施。がんは身近な病気であるという意識を高めてもらうとともに、治療のために職場のサポートが必要なときに、相談しやすい環境づくりにつなげている。

 

◆外部の医療従事者と相談する環境

がん治療をしている社員への勤務上の配慮検討のために必要な情報は、社内保健スタッフ(主として産業医)が主治医と情報連携し、配慮検討に必要な情報展開を会社側(人事・総務スタッフ)に行っている。

 

制度

 

◆入社時健康診断では、胃がんなどを引き起こす原因となるピロリ菌検査(2018年度~)や、肝臓がんの主な原因である肝炎ウイルスの検査(2019年度~)を取り入れ、発症予防につなげている。

 

◆定期健康診断時には、がんの早期発見に有効ながん検診について、従業員とその家族を対象に検診費用の補助を実施し、各年齢・性別に応じたがん検診メニューと補助金申請方法を従業員個々人宛にメールで案内するなど、検診受診率の向上に取り組んでいる。

 

・2021年度より疾病予防・早期発見の観点から、がん検査項目に対する検診費用補助の増額を実施した。(平均的な検査費用であれば実質自己負担なし)

 

・2022年度より、2021年度の会社補助項目に加え、腹部CT・大腸CT・動脈硬化度検査の会社補助を拡充した。

 

◆2020年12月より、遠隔禁煙プログラムを導入。電話・タブレット端末を使用し、遠隔により病院に行かずに禁煙外来を受診できる禁煙プログラムで、全額会社負担(一部健康組合負担)で実施している。

 

◆社内産業医・保健師が健診結果を確認し、受診フォローを行い早期治療に繋げている。

 

◆私傷病休職制度、半日単位や時間単位でも取得できる年次有給休暇、フレックスタイム勤務や時差出勤に加えて、2020年10月からは、がん治療の際の短時間勤務や在宅勤務が利用可能。

 

2022年4月より、治療のための短日数勤務制度を導入。原則として1週4日とし、事情があり会社が認めた場合は、1週3日とすることも可能。仕事と治療の両立支援を強化しました。

 

◆2022年下期大崎に診療所を開設する社外の医療機関と提携し、オンライン・対面での受診が可能となり、当社従業員専用受診時間を設置。(本人同意に基づき)社内産業保健スタッフとも連携でき、早期かつ継続的なサポートが可能となる。

 

その他の取り組みやエピソード

 

◆LGBTをはじめ、障がい者や病気治療中の方が、必要なときに相談しやすい風土づくりとして、当社オリジナルの「ALLYステッカー」を作成し、賛同者に配布。PCや携帯電話に貼ることで、ALLYの浸透と見える化を促進。

 

◆2020年10月に看護大学生の学生実習を受け入れ、教育メニューの中で「がん治療と仕事の両立」取り組みについて事例紹介を実施した。この取り組みは大変好評だったため、2021年度は、6月に5名、11月に5名、2022年2月に24名の看護大学生への実習受け入れを実施。2022年度は11月21名、2023年2月21名の受入れを実施予定。

 

◆2020年1月のがんアライ部勉強会で、弊社の取り組み事例を発表する機会をいただき、参加企業の皆さまと、取り組み内容や苦労点・課題等について情報交換できたことは、今後の活動への大きな励みになった。

 

◆2021年3月に、がん対策推進企業アクションの厚生労働大臣賞をいただき、当社の取り組みを発表する機会をいただけた。受賞式と事例紹介の様子(動画)は、社内報を通じて従業員と家族向けに発信し、当社の支援制度やサポート体制を広めるきっかけにもなった。

https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/report/info_210303.html

  

抱負

 

・オンライン診療及び自身の健康管理ができるスマホアプリの導入を推進する。

 

・当社の取組みについて社内周知を徹底するとともに、セミナーや講演会等をとおして、従業員一人ひとりやその家族の健康について改めて考える機会を定期的に提供し続ける。

 

・日立グループのがん経験者による座談会レポートのPRを継続的に行い、がんり患者とその家族に向けて、治療のこと、家庭や仕事との両立、早期発見に向けた検診の重要性などを伝えていく。

 

 講評・コメント

 

・日立グループのがん経験者による座談会を開催し、治療のこと、家庭や仕事との両立、早期発見に向けた検診の重要性など、本音トークをレポートにして社内外に公開されています。

 

・治療のための短日数勤務制度(原則として1週4日とし、事情があり会社が認めた場合は、1週3日)を導入し、仕事と治療の両立支援を強化されてます。

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