がんアライアワード受賞企業の取り組み事例

   

【がんアライアワード2023ゴールド】野村アセットマネジメント株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

【がんアライアワード2023ゴールド】野村アセットマネジメント株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部

がんアライアワード2023に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。

 

ゴールド受賞:野村アセットマネジメント株式会社

業種:資産運用業

従業員数:1003名

https://www.nomura-am.co.jp/

働く人を支える制度・ 体制

 

【1】がんと就労に関して、あるいは社員の健康や安全に関する基本方針等の表明

健康経営宣言/がんアライ宣言/その他の宣言

 

野村グループにおける社内環境整備方針および「NOMURA健康経営宣言」

野村グループでは、社内環境整備方針として、野村グループの最大の財産は、人材であり、社員一人ひとりがもつ独自の強みを十分に発揮し、活躍するためには、心身ともに健康であることが重要であり、適正な労働条件や労働安全衛生、快適な職場環境の整備をはじめ、社員が意欲をもって働き続けられるよう、育児・介護支援等の福利厚生諸制度の充実や、社員の健康保持・増進に力を入れていることを示しています。

 

その上で、創業時から続く、従業員の健康を重視する精神を引き継ぎ、2016年7月に「NOMURA健康経営宣言」※を採択し、健康経営推進責任者(Chief Health Officer、以下CHO)の下、健康保持増進に向けた取り組みを推進しています。

 

2021年度からは、当グループの経営ビジョンである「社会課題の解決を通じた持続的成長の実現」を目指すため、グループ全体の健康経営のゴールとして「野村で働くすべての人が、単に健康になるのではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態(Well-being)になること」を社員全員と共有しています。

 

5つの重点課題として、「生活習慣病対策」「喫煙対策」「エンゲージメント向上・メンタルヘルス対策」「がん対策」「女性の健康促進」を掲げ、ガンアライ宣言・がんアライアワードへの応募をはじめ、CHOのもと、健康保険組合、産業医・保健師等、グループ各社が一体となり、すべての社員が働く機会を失うことなく、最大限に成果を発揮できる職場環境の整備を目指し、継続的に様々な取り組みを続けています。

 

これらの方針は社内外のHPだけでなく、全社員を対象とする研修やグループCHOからの全社員に向けたメッセージを発信する際にアピールすることで、グループ全体で取り組んでいる健康経営の推進を実現しています。

 

※「NOMURA健康経営宣言」

野村グループの最大の財産は、人材です。社員一人ひとりが自らのもつ能力や個性を十分に発揮し、活躍するためには、心身ともに健康であることが重要です。この理念のもと、野村グループは社員の健康保持・増進を経営的な視点でとらえ、主体的に取り組んでいきます。

 

がんアライ宣言の経営トップによる積極的な関与

毎回、がんアライ宣言の募集に際しては、グループ全社に向け、CHO自らが率先して、がんアライ宣言に賛同することを宣言し、病気の治療と仕事の両立をサポートすることを表明しています。また、社内にとどまらず、社外に向けても、グループ各社のがんアライアワードの受賞状況を公表し、当グループが、がん罹患者が治療しながらいきいきと働くことができる職場や社会を実現することを目指し取り組んでいることを表明しています。

 

なお、本年のがんアライ宣言募集時、写真に加えて「がんアライ宣言に賛同する」というリンクをクリックして参加する方法も新たに追加しておりますが、グループ会社で約400件のクリックによるがんアライ宣言が集まっています。

 

野村アセットマネジメントWell-beingガイドラインの策定および社内KPI達成に向けた取り組み

当社では、グループにおける活動に加え、グループの方針の下、「野村アセットマネジメントWell-beingガイドライン」(2023年度、従前の「働き方改革・健康経営ガイドライン」より改名)を、当社独自で策定し、「長時間労働の是正」「休暇等の取得促進」「健康保持・増進」をテーマに、毎年、社内KPIを設定しています。

 

「健康保持・増進」をテーマとした社内KPIとしては、健康診断/人間ドックの早期受診(6月末までに予約完了、9月末までに受診完了)、メンタルヘルス研修受講率100%を掲げ、部署別の達成状況を全社でモニターし、良くなるための競争を全社で実施しています。

 

また、月次のHRミーティング(部室長と人事部の1on1)を強化し、社内KPIの達成が進まない場合に、部室ごとの業務特性、事情を踏まえた対応を協議することに加え、2022年12月に人事部内に新設された、HR Health Managementチームと人事部のHRビジネスパートナーでタッグを組み、各部室のHRミーティングの前後に作戦会議と振り返りミーティングを行い、各部室の課題、取り組み、法令上の考え方を共有。人事部の健康経営に関するリテラシー向上を実現することで、部室のマネジメントの理解や社員ひとりひとりの事情を踏まえたフォローアップを丁寧に行い、健康経営に関する方針が浸透するよう取り組んでいます。

 

野村アセットマネジメントコーポレートサステナビリティレポート2023における発信

当社が責任ある投資家として、お客様の資産形成に貢献し、持続可能な豊かな社会の実現を目指し推進している「サステナビリティ」に関連する活動方向性や環境や社会に対する取組について、ステークホルダーの皆様と共有することを目的に、2023年7月作成した、当社の「コーポレートサステナビリティレポート2023」では、世の中に浸透してきた「DEI」からさらに一歩先へ進むため、「ビロンギング」を追加した「DEI&B」を推進することを表明し、「健康経営優良法人(ホワイト500)」や「がんアライアワード」等様々な認証・評価を受けていること、ビロンギングを高めるための取り組みとして“ウェル・ビーイングで働ける環境づくり”として、前述のガイドラインや社内KPIおよびその達成に向けた取り組み、社内KPIの達成状況について公表しています。

 

【2】休暇制度

傷病・病気休暇制度/傷病・病気休職制度/半日単位の有給休暇取得/時間単位の有給休暇取得

 

人間ドック休暇、二次検査休暇

定期健診、人間ドック受診時には有給の「人間ドック休暇」、二次検査受診時には有給の「二次検査休暇」を年次有給休暇とは別に付与することで、勤続期間が短く年次有給休暇の日数が限られる場合においても、健診受診できる環境を整備。また、人間ドック休暇は取得期間を、毎年4月から12月末までに限定することで、人間ドックを早期に受診するインセンティブとしています。(定期健康診断は勤務時間に認定。)

 

年次有給休暇の単位(時間単位および半日単位における中抜休暇)

年次有給休暇は半日単位だけでなく、年5日までは、時間単位でも取得可能とし、治療を目的とした通院や治療後の療養や体調が悪い時に、柔軟に休暇を取得できる環境を整備しています。半日単位の休暇取得においては、一般的な”午前・午後”に加え、”中抜け”という任意の時間帯で半日単位の時間数(例:3時間45分)休暇を取得できるようにすることで、通院時間を柔軟に確保できる環境を整備しています。

 

傷病事由による休職前欠勤、傷病事由による休職

傷病休職前に一定期間連続して欠勤することを認める長期欠勤制度や、傷病事由による休職制度があり、年次有給休暇をすべて消化した後においても、雇用機会を失うことなく、治療や療養を継続できる環境を整備しています。

 

【3】勤務制度

時差出勤制度/フレックス勤務制度/在宅勤務(テレワーク)制度/サテライトオフィス勤務制度/短時間勤務制度/リハビリ出勤制度(復職後、休職前の勤務時間より短時間で勤務する等の制度)/その他の勤務制度

 

裁量のある働き方の全社員への適用

当社では全社員に対し、裁量のある働き方(高度プロフェッショナル制度、企画業務型裁量労働制、フレックスタイム制)を適用し、すべての社員が成果を最大限に発揮するための労働環境を整備しています。

 

なお、一部固定時間制(所定労働時間帯の勤務)を提要する社員においても、部室長の承認により柔軟に始終業時刻の繰り上げ・繰り下げを行う調整(時差)出勤制度を適用しています。

 

フレックスタイム制度

フレックスタイム制では、コアタイムを設けず、フレキシブルタイム(7:00-22:00)の範囲で、社員が出社/退社の時間を事由に決定できる制度となっております。働く目安の時間帯としてビジネスアワー(8:40-17:10)は設けているものの、あくまでも目安とし、個別事情に応じた柔軟な働き方が可能となっています。

 

在宅勤務制度

全社員が利用できる在宅勤務制度では、2022年12月より、出社原則の下、在宅勤務の上限を月の所定日数の6割から8割を引き上げました。部室ごとの業務特性に応じた部室運営ルール(最低出社日数等)を在宅勤務規程の範囲の中で設定しているものの、在宅勤務規程の範囲までは、部室の判断で在宅勤務を可能としています。

 

さらに、本人の体調や育児、介護等を理由に、在宅勤務規程を超える在宅勤務が必要な場合は、人事部長の判断で、在宅勤務100%、遠隔地在宅(通勤可能範囲を超えた、国内の両親等の居宅)を特例措置として認めています。特例措置を承認する際、体調不良の場合は、適宜、離脱や休暇取得により無理して働くことのないよう、指導しているものの、治療と仕事の両立においては、通院や休憩時間に身体を休める環境の確保、通勤による疲労軽減等を目的に、治療と仕事を両立する社員に対して柔軟に適用しています。

 

当社では在宅勤務規程や部室運営ルールの範囲内で、各メンバーが最大限の成果を出すためのハイブリッドな働き方(出社×在宅)を実現しております。そのため、治療と仕事の両立で在宅勤務が必要な場合も、スムーズに在宅勤務を行える環境が整備されています。

 

サテライトオフィスにおける在宅勤務制度

都内にあるサテライトオフィスでの在宅勤務を月2回まで可能としており、通院等、個別の利便性を踏まえ、出社/サテライトオフィス/自宅の中から、働く場所を柔軟に選択できる柔軟な働き方を可能としています。

 

傷病休職から復職時の短縮勤務制度

傷病休職からの復職時、会社が必要と認めたときは、復職の後に勤務時間を短縮することができます。当社の短縮勤務制度は復職後に適用できるため、その後の通常勤務までの切り替えを、産業医による復職後の体調のフォローアップの中で個別の体調を確認しながら、柔軟に切り替えることができ、一定期間療養していた社員がスムーズに職場復帰できる環境を整備しています。

 

就業制限の柔軟な適用

傷病休職からの復職時や主治医からの診断書を踏まえた産業からの意見により、時間外労働の禁止、時間外労働の制限、在宅勤務による通勤への配慮等、就労にかかる配慮を行っていますが、復職後も当該社員と産業医、保健師、人事部のそれぞれで継続的にコミュニケーションすることで、個別の体調を確認しながら、無理のない働き方となるよう、丁寧にフォローアップを行っています。

 

【4】支援体制

社員相談窓口の設置/保健師・産業医等の医療職の支援/外部医療機関との連携/上司等との1on1、面談等の機会/人事担当者等との面談等の機会/主治医との書面上での情報連携/(休職を要さない場合)両立支援プランの策定・実行/休職中のフォロー/(休職した場合)職場復帰支援プランの策定・実行/復職後のフォロー 

 

社内外の相談窓口の整備等(相談窓口の整備、外部医療期間との連携、外部支援サービスの活用)

社内外に健康相談窓口を設置。社内相談窓口では保健師や産業医に人間ドックの診断結果から治療中の病気、その他健康に関することを、人事部を通すことなく医療職に相談できる環境を整備しています。また、社外相談窓口では24時間・年中無休で電話相談、チャットボット相談可能な「野村健康ダイヤル24」や、電話・面談によるセカンドオピニオンサービス、専門医療期間への受診手配・紹介サービスを受けられる「野村専門医療ダイヤル」その他、メンタルヘルスカウンセリングサービスや女性の健康相談等、さまざまな相談窓口を整備しています。

 

健保組合とのコラボヘルスの一環で設定されている、「女性のための健康相談窓口」では、LINE等の手軽な方法で、女性特有の健康課題等を産婦人科医等に相談し、悩みや不安を解消できる相談窓口や、子宮頸がんや乳がん等女性の病気セルフチェックや病気の早期発見・対応を目的とした女性検診とワクチンの紹介、病気や病院の検索ができるサイトである女性の健康推進室「ヘルスケアラボ」を提供しています。

 

人事部のHR Health Managementチームによる個別フォローアップ

社員本人からの相談や、上司からの「いつもと様子が違う」等の相談、休暇の取得状況等を踏まえ、2022年12月に人事部に新設されたHR Health Managementチームから社員へ直接電話等により連絡し、産業医・保健師や社内外の相談窓口の紹介、社内で治療と仕事を両立する際に適用している特例措置や働き方の工夫、治療と仕事両立支援ガイドブックの掲載場所の紹介等、「こんな制度知らなかった」という声を可能な限り減らすためのサポートを行っています。

 

その際、自身の病状や病名等の健康情報を上司や同僚には伝えたくないという意向が社員にある場合は、上司として配慮いただきたい事項と、人事部が扱う健康情報の切り分けを行ったうえで、HR Health Managementチームが各種調整を行っています。また、社員それぞれの状況を踏まえつつ、必要な都度コミュニケーションを継続する等、フォローアップを実施しています。フォローアップにおいては、産業医、保健師と連携しながら行うため、医療職でない人事部の担当者も適切な対応が可能です。併せて、事例がない場合等は個人情報を伏せた上でグループ会社と事例および対応方法の共有を行い、様々な観点で適切なサポートが可能となる体制を整備しています。


このように、人事部内に専門チームを新設することで、社内の相談先が明確になるだけでなく、属人的なフォローアップに止まらず、チームとして持続的なフォローアップが可能な体制を整備しています(現在、チーム内でノウハウの蓄積中)。

 

月次の1on1ミーティング

毎月1回、自身のキャリアについて上司と相談する1on1ミーティングを全社員が実施しています。定期的に上司と会話する機会をつくり、自身のキャリアだけでなく、体調や育児、介護等の個別の事情について共有し、相談しやすい環境を整備しています。

 

年次の自己申告シートおよびフォローアップについて

毎年1回、自身のキャリアや個人的に抱えている問題等を記名式で人事部に対し直接提出するアンケートを実施しています。アンケートでは、育児や介護、病気等、プライベートな悩みについても回答する設問を作り、直属の上司や同僚に相談できない内容について、人事部に共有する機会を提供しています。また。自己申告書の内容は人事部がすべて確認し、必要に応じて人事面談を設定。より踏み込んだフォローアップが必要な場合は、専門の担当に繋ぎ、案件ごとに求められる適切な対応を可能としています。

 

産業医、保健師との月次情報交換会

毎月1回、産業医、保健師とHR Health Managementチームが療養により長期で欠勤・休職中の社員や日々の社員とのコミュニケーションで把握した社員の健康に関する事項(健康相談窓口への相談は除く)について、情報交換会を実施。個別の社員ごとに健康に関する情報を記録している一覧や社員から提出された診断書を用いて、個別フォローアップに関する計画を策定している。なお、緊急を要する場合は情報交換を適宜開催し、スピード感のある対応が可能な体制を構築しています。

 

人事部による月次のフォローアップ(体調確認)

療養により長期欠勤・休職中の社員や復帰後のフォローアップ対象社員に対し、HR Health Managementチームから毎月連絡し、体調確認を行っています。長期欠勤・休職中の社員については「通院の状況」「自身で感じる体調の変化」「食事」「睡眠」「その他会社に伝えたいこと」をテーマにヒアリングを実施。職場から一定期間離れた状態でも会社と繋がっている状態を保ち、個別の体調に応じたフォローアップを継続しています。

 

入院中の場合や、連絡できる体調ではない場合等、連絡方法は本人の希望を踏まえて、電話、メール、簡易的なメッセージツールを用いて柔軟に対応し、場合によってはご家族との連携も行う等、丁寧な対応を心がけています。

 

復職者に対する産業医、保健師によるフォローアップ

傷病により休職前欠勤または傷病事由休職から復職した社員については、体調等の個別事情を踏まえ、産業医の指導に基づき、復職後も産業医面談および保健師面談を継続しています。

 

なお、産業医の判断により復職後フォローアップ終了となる場合においても社員本人が希望する場合は、引き続き、定期的に保健師面談を継続しています。

 

両立支援プランの策定・実行

復職が決まった社員については、休職期間の長さや休職期間中の上司とのコミュニケーションの状況をふまえ、必要に応じて、職場の上司との面談を設定しています。また、復帰時の産業医面談および復職後の産業医フォローアップ面談の結果発行される「就労上の配慮に係る意見書」は、職場の上司、人事部で回覧し、コメントを記入の上、産業医へ再度連携し、職場の上司×人事部×産業医の3者で両立支援する体制を整備しています。

 

その他、治療と仕事を両立している社員等、勤務継続中に産業医意見書が発行された場合も同様の体制で共有しています。

 

主治医との書面上での情報連携

必要に応じて産業医より本人了承の下、主治医に情報照会をしており、主治医の意見を元に産業医意見を会社に提供いただき、会社として就労上の配慮等を判断しています。

 

【5】健康増進支援 

健康診断受診率増加に向けた取り組み/健康診断受診率100%達成/がん等の任意検診受診費用の補助/人間ドック費用の全額補助/健康診断で「要検査」となった人のサポート/必要に応じた産業医・保健師の面談/禁煙に関する取り組み/日常的な健康増進に関する取り組み(運動習慣獲得、食事管理、睡眠管理等)/健康増進イベントの開催/健康管理に関するアプリの配布/休憩室の整備/その他健康増進支援

 

健康診断受診率向上(早期予約/早期受診)に向けた取り組み

グループの方針の下、当社独自で策定している「野村アセットマネジメントWell-beingガイドライン」における社内KPIのうち、「健康保持・増進」をテーマとした社内KPIで、健康診断/人間ドックの早期受診(6月末までに予約完了、9月末までに受診完了)を掲げ、部署別の達成状況を全社でモニターし、良くなるための競争を全社で実施しています。

 

また、月次のHRミーティング(部室長と人事部の1on1)を強化し、健診予約・受診が進まないような場合は、事情を踏まえた対応を協議しています。

 

定期健診の必要性については、2022年12月に人事部内に新設された、HR Health Managementチームと人事部のHRビジネスパートナーでタッグを組み、各部室のHRミーティングの前後に作戦会議と振り返りミーティングを行う中で、部室のマネジメントの理解や社員ひとりひとりの事情を踏まえたフォローアップを丁寧に行っています。

 

併せて、毎月保健師から未予約者に対するフォローアップを個別に実施することで、社員ひとりひとりに対しても、健康診断の受診や早期受診が必要な理由を説明し、自発的に社員が早期受診しようと考える風土を醸成しています。数年に渡りこのような対応を継続していることから、体調理由により法令上も定期健診の受診義務がない社員を除き、2021年度より2年連続受診率100%達成し、本年においても6月末時点の予約率99%(前年同月比増。8月末で予約率100%)、9月末受診率98%(前年同月比増)となっています。

 

人間ドック費用の全額補助および人間ドック休暇の付与

30歳以上の社員は人間ドックを健康診断の代替としており、原則無料で法定外項目も含めた人間ドックを受診することが可能。また、人間ドック受診時には、有給の人間ドック休暇を付与しています。なお、人間ドック休暇は取得期間を毎年4月から12月に限定することで、早期受診を促進しています。

 

がん等の任意検診受診費用の補助

人間ドックの検査項目には胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がん、前立腺がん検査が含まれ、全額健康保険組合が補助。子宮頸がんは全女性社員に全額補助しています。

 

健康診断・人間ドックで「要検査」となった人のサポート

健康診断・人間ドックで二次検査が必要になった社員へ受診勧奨を実施。保健師、人事部からの受診勧奨の結果、引き続き受診が進まない社員に対しては、産業医から電話等により本人へ連絡し、二次検査を受診しないことによりリスクを説明の上、早急な対応を指導している。また、がん検診項目で要精密検査となった社員へは健康保険組合とのコラボヘルスにより受診勧奨を実施しており、それぞれ二次検査・精密検査受診時は、有給の二次検査休暇を利用可能です。

 

産業医・保健師によるサポート

健康診断事後措置において、必要に応じて産業医・保健師が本人と面談を実施。また、健診結果を踏まえて本人自らが希望する場合においても、産業医・保健師との面談を実施しています。

 

禁煙に関する取り組み

望まない受動喫煙の防止と社員の疾病予防のため2021年10月より就業時間内禁煙を導入。同時に健康保険組合がオンライン禁煙プログラムの費用補助や、禁煙に成功した社員へポイントインセンティブを付与するサポートを実施。社内喫煙所は2021年12月末を以てすべて廃止しました。

 

就業時間内禁煙については、CHOメッセージを定期的に全社員に対し発信し、方針および制度の必要性を周知しており、併せて、年1回、グループ全体で実施している健康意識調査では、就業時間内禁煙の実施状況や喫煙により不快な思いをした経験があるか等のアンケートを実施し、結果を全社に共有しています。

 

また、年2回開催している、グループの健康経営責任者による健康経営推進協議会において、喫煙率の推移をモニターし、喫煙対策について毎回協議しています。

 

2023年1月には、グループ全体で喫煙対策実態調査を実施し、2023年3月には、実態調査の結果(回答率91.9%)や、喫煙対策を行う理由、就業時間内禁煙の詳細を周知した上で、万が一、健康増進法で禁止されている場所での喫煙が明らかになった場合には、法令違反として厳正に対処する旨を周知。すべての社員が健康でいきいきと過ごすことができる職場環境の必要性についてグループCHOのメッセージを全社員に発信しています。

 

日常的な健康増進に関する取り組み(運動習慣獲得、食事管理、睡眠管理等)

社員の健康増進のため、部署ごとの平均歩数を競うオンラインのウォーキングイベント「ノム☆チャレ」を毎年実施しています。歩数や写真を全社員で共有し、「いいね!」やコメントの投稿で部室や会社を超えて応援し合うことで、社員のコミュニケーション向上や運動習慣の定着につなげています。

 

同時に参加者の歩行距離に応じた金額の寄付を行っており、2022年度は「認定特定非営利活動法人キッズドア(NPO Kidsdoor)」に寄付。社員個人への健康増進のみならず、寄付という形での社会貢献につなげています。

 

また、2022年12月、毎年12月を「スマート・ドリンク月間」と定め、健康経営の観点から、グループ全体で適正飲酒への意識を一層高めることをグループCHO宣言しています。併せて、同月に全社イベント「休肝日チャレンジ(週2日の休肝日設定で適切な飲酒習慣を推奨)」を開催し、休肝日への決意やお酒の代わりに飲むといいもの、料理の写真やコメントを、健康プラットフォームWellGoで投稿し、いいねや応援コメント等で会社の枠を超えて、グループ全体で休肝日を楽しむイベントを開催しました。

 

その他、管理栄養士による「食事による生活習慣予防」「アルコールのおつまみの選び方(肝臓の負担の減らし方、機能正常化促進)」「時間栄養学」に関する動画を提供。健康プラットフォーム「WellGo」に食事や間食、飲酒状況を入力できる機能を活用し、入力した社員にインセンティブポイントを付与しています。

 

健康管理に関するアプリの配布

健康経営プラットフォーム「WellGo」を導入。健康診断結果や医療費、歩数や食事記録などの健康データの見える化機能や、eラーニングや健康クイズ配信によるヘルスリテラシー向上機能などを各自活用しています。またイベント機能を利用してウォーキングイベントを開催することにより社員同士がSNSのように投稿し合うことによってコミュニケーション活性化にもつながっています。

 

衛生委員会での健康増進に関するディスカッション

毎月開催している衛生委員会では、長時間労働の是正や健康増進に関するテーマについて、産業医、労働者、会社(人事)の3者でディスカッションを実施しています。ディスカッションの内容は資料とともに毎月議事録を公表することで、全社に共有しています。


休憩室の整備

個室の休憩室に加え、各フロアにリフレッシュスペース(コンセントレーションルームやパーテーションで囲われたソファエリア等)を整備しています。

 

その他健康増進支援

軽食の提供やお弁当の販売、その他食料を購入できるスペースに加え、より業務スペースに近接するエリア(同じフロアまたは1階上のフロア。社内では2箇所設定)に手軽に栄養補給できる食品を販売するスペースを設置(サステナ・マルシェ)。ラインナップはアーモンド等のナッツ類、タンパク質が手軽に摂取できるチキンや栄養バーなど、ビタミンドリンクなど、社員の健康や栄養にも配慮した多種多様な軽食やお菓子、ドリンクが販売されており、多忙な状況でも栄養補給できる機会を提供。治療により、少量の食事を複数回にわけて食べる必要がある場合にも手軽に購入できるようになっています。

 

また、社内ポータルで販売する食料や購入者のコメントを発信することや、サステナ・マルシェに社内イベント等を周知するポスターを貼ることで、栄養補給だけでなく、コミュニケーション促進にもつながっています。

 

【6】その他の制度・体制

産業医の執務専用スペースの確保

産業医の執務専用スペースを確保。人の目を気にせず産業医面談できる環境を整備しています。また、人事部のフロアから離れた場所に設置することで、人事部に知られずに産業医面談を受けられる安心を確保しています。

 

高額療養費制度

健保組合の高額療養費制度により、医療費の自己負担額が約25,000円/月に抑えられるため、経済的な心配をせずに治療に専念できます。

 

その他、特定疾病の治療(血友病、抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群、人工透析を必要とする慢性腎臓疾患)について、自己負担を軽減しています。

 

在宅医療に対するサポート(訪問看護療養費付加金)

自宅で継続して療養を必要とする場合、主治医の指示に音づいて、訪問看護ステーションの訪問看護などから療養上の世話や必要な補助を受けた場合に、訪問看護療養費が支給されますが、当社が加入する健保組合では、独自の給付(付加給付)でさらに自己負担を軽減しています。

 

病気で仕事を休んだときのサポート(傷病手当金付加金、延長傷病手当金付加金)

治療のため、無給になった期間について、一定期間、傷病手当金が支給されますが、当社が加入する健保組合では、独自の給付(付加給付)や法定の給付満了後、一定期間、延長傷病手当金付加金を支給しています。

 

働く人を支える風土、環境

 

【1】啓発、研修

社員向けのがんに関する研修/上長・管理職向けの両立支援に関する研修/女性向けのがんに関する研修/がんに関するe-ラーニングコンテンツの提供/罹患者の体験談を聞く機会の提供/その他啓発、研修  

 

社員向けのがんに関する研修

健康番組(動画)や毎月配信するメールマガジンで、「働く世代に多い乳がん、子宮頸がん」「『がん』の治療と仕事 どうする?両立」「若い世代の女性に多い子宮頸がんについて」「がん検診後の精密検査」「大腸がん」をテーマに配信。また、衛生委員会で、医療職による解説後、労働者、会社(人事)、産業医でディスカッションしており、ディスカッションの状況は資料と併せて議事録を全社に共有しています。

 

上長・管理職向けの両立支援に関する研修

管理職を対象にラインケア研修を実施、メンタルヘルスも含めた私傷病等により休む社員の接し方、復帰後の接し方、周囲の同僚へのフォローの重要性等、マネジメントとして必要な知識を学ぶ機会を提供しています。

 

女性向けのがんに関する研修/がんに関するe-ラーニングコンテンツの提供

女性の健康課題に関する研修を継続的に実施。2023年度は、グループCHROとスプツニ子!氏の対談で、女性の健康課題について知ることの必要性とDEIへの繋がり、男性の更年期、平等と公平の考え方を共有。大人のための月経講座、10 分でわかる子宮頸がん、10 分でわかる更年期、イチから学ぶ男性の更年期に関する研修受講により、会社全体のリテラシーの向上、意識改革を推進することで女性が働きやすい環境を整備しています。動画は健康プラットフォームWellGoからの閲覧も可能とし、被扶養配偶者や子供等閲覧することで、社員の家族に対するリテラシー向上も可能です。

 

2020年度より、これまで30歳以上としていた子宮頸がん検診を20代女性も対象に追加。ただ20代女性の受診率が他の年代と比較して10%以上低い状況だったため、がん検診受診に関するアンケートを実施し、衛生委員会でも討議。受診しない理由として検査に伴う苦痛に対する恐怖があることがわかったため、イントラサイトに検査受診のポイントや精密検査を指摘された場合のその後の流れについて掲載。併せて、30代未満の社員が定期健康診断を受診する病院を、従前の会社指定病院(時期指定)から任意で病院と時期を選択可能とすることで、個別の体調等を踏まえ柔軟に選択できるようにすることで、安心して健診を受診できる環境を整備しています。

 

罹患者の体験談を聞く機会の提供

グループで初めて実施した「がんサバイバー社員の座談会」(2023年9月実施)では、がんと診断されてから現在までの経緯、仕事と治療の両立方法、周囲への伝え方、金銭的な話等をテーマに扱っており、定期健診や精密検査の必要性を実感させられる内容となりました。人事担当者としても、改めて気づかされる観点が多く、座談会にオブザーバーとして参加したHRHealth Managementチームのメンバーが、その後の健診受診促進や治療と仕事を両立する社員とのコミュニケーションに活かしています。

 

その他啓発、研修 

全社員を対象に、心理的安全性に関する研修を行い、誰もが気兼ねなく自分の状況や意見を言える職場づくりを推進しています。

 

【2】情報発信

イントラネット、社内ポータルサイト等での情報発信/メルマガ等での情報発信/社内報等での情報発信/両立支援に関するハンドブック・ガイドブックの配布/ポスター等の掲出/罹患者の体験談を見られる機会の提供/その他情報発信

 

イントラネット、社内ポータルサイト等での情報発信

社内ポータルに健康相談等という専用サイトを設け、健康相談窓口の連絡先や産業医の役割等の紹介、治療と仕事両立支援ガイドブック、健康診断・人間ドックに関する資料やよくある質問集、毎月の衛生委員会でディスカッションテーマにしている健康情報(定期健診と事後措置について、大腸がんについて等)、がんと就労に関する情報やがん予防につながる定期健診・人間ドックに関する情報を集約しています。

 

メルマガ等での情報発信

定期的に発信している「衛生委員会コメント」「健康ワンポイント」「メルマガ」では、そのいずれかで定期健診や二次検査の重要性、乳がん、大腸がん、子宮頸がん、がん検診、がんの治療と仕事の両立といった、がん治療やがん予防につながるテーマを扱っています。

 

併せて、それぞれのテーマについて衛生委員会で労働者、会社(人事)、産業医の3者でディスカッションし、資料とともに議事録を全社に公表しています。

 

社内報等での情報発信

社内ポータルサイトにある情報発信ページで、がんアライ宣言の募集やがんアライアワードの受賞について発信。がんとともに働きやすい社会を実現するためのがんアライアワードに継続して応募し、受賞していることを周知しています。

 

初回のがんアライ宣言の写真は人事部の社員だけでしたが、2年目には100名を超える社員が各々の仲間との笑顔あふれる社員で宣言。今年は社長自らも宣言し、会社全体で、がんとともに働きやすい会社を目指していることを宣言しています。

 

両立支援に関するハンドブック・ガイドブックの配布

グループで作成した治療と仕事の両立支援ガイドブックの自社版を作成し、社内ポータルサイトの専用ページに掲載。いつでもダウンロード可能な状態になっています。また、HR Health Managementチームがコミュニケーションする際に、健康相談窓口連絡先とともにガイドブックを共有し、必要な社員が見落とさないようなフォローアップを行っています。

 

ポスター等の掲出

業務スペースに近接するエリア(同じフロアまたは1階上のフロア。社内では2箇所設定)に手軽に栄養補給できる食品を販売するスペース、「サステナ・マルシェ」に、がんアライ宣言に関するポスターを掲示、より多くの社員が宣言できる機会の提供を行っています。

 

罹患者の体験談を見られる機会の提供

治療と仕事を両立している社員の体験談をポータルサイトに掲載。治療と仕事の両立支援ガイドブック等、両立支援に関する情報発信時、掲載ページのリンクを周知しています。また、HR Health Managementチームがコミュニケーションする際に、健康相談窓口連絡先、ガイドブックとともに当サイトを共有し、必要な社員が見落とさないようなフォローアップを行っています。

 

【3】コミュニティ

がん罹患者・経験者同士のコミュニティ/その他のコミュニティ

 

がん罹患者・経験者同士のコミュニティ

グループで初めて実施した「がんサバイバー社員の座談会」(2023年9月実施)では、がんと診断されてから現在までの経緯、仕事と治療の両立方法、周囲への伝え方、金銭的な話等をテーマに扱っており、定期健診や精密検査の必要性を実感させられる内容となりました。初めての試みでしたが、実名・匿名を本人が選択できるようにする等の工夫により、9名が参加し、事後アンケートで満足度は87.5%、継続的な開催を望む声が多数寄せられています。人事担当者としても、改めて気づかされる観点が多く、座談会にオブザーバーとして参加したHRHealth Managementチームのメンバーが、その後の健診受診促進や社員とのコミュニケーションに活かしています。

 

まずは座談会の開催ということで、コミュニティまでは届かないかもしれませんが、参加したがんサバイバーの社員のみなさんが、自身の体験を共有したいという熱い思いを話す言葉のひとつひとつの重たさや、重要さを実感しています。可能な限り定期的に実施することで、グループ全体で貴重な経験を共有できるコミュニティに繋げたいと考えております。

 

その他のコミュニティ

育児と仕事を両立する社員および上司、同僚に向け、育児と仕事の両立に関する座談会を定期的に実施しています。具体的には、育児事由による労働時間の不足を正当な事由による不足と扱う「育児フレックス」導入時には、育児に関する制度を利用している社員が集まり「育児と仕事の両立」について座談会を開催、男性の育児休業取得の促進を目的に、「男性の育児休業取得者と取得予定者」との座談会を開催しています。

 

育児と仕事を両立する(あるいは、これから両立する予定がある)社員が、上司や同僚とのコミュニケーション、利用できる制度、両立する上での悩みやその解決策等について情報交換できる仲間の輪を広げるだけでなく、社内のポータルサイトでわかりやすく情報発信することで、職場の上司や同僚社員への理解が深まり、会社全体で両立を支援する風土の醸成に繋がっています。

 

その他、介護と両立する社員や障害のある社員の働き方のインタビュー等を社内ポータルサイトでわかりやすく発信することで、野村で働くすべての人が、単に健康になるのではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態(Well-being)になることを目指し、会社全体で取組んでいます。

 

【4】対外的な活動

がんに関する社会的な活動への参加/その他の対外的な活動

 

ヘルスケア関連企業へのESG投資を行う海外の投資顧問会社との協業

野村ホールディングスは、アメリカン・センチュリー・インベストメンツ(ACI)と戦略提携を結び、100%子会社を通じて出資を行なっており、当社は資産運用会社として、国内にてリテール向けの投資信託や国内機関投資家への運用提案に際してACI商品を提供する一方、米国ではACIのビジネスにおいて野村グループの商品を活用するなど、双方向でのプロダクト供給が実現しています。

 

ACIは、ストワーズ医学研究所を大株主にすることで将来的に研究資金に困ることがないよう、研究者が研究だけに集中できるような仕組みを作り、現在もACIからの株主配当を主な活動資金として、治療を待つ多くの方々のために、医学の基礎研究を行っています。

 

※ストワーズ医学研究所:ACIの創業者が、ともに大きな病気になったことをきっかけに、医学研究を通じたがん撲滅等を願い設立した非営利団体

 

国内外の投資先企業に対する働きかけ、協働エンゲージメント

当社は、常にお客様のニーズに適した質の高い資産運用サービスを提供し、お客様と社会から深く信頼される運用会社として、資産運用ビジネスを通じて社会の発展に貢献してゆくことをその使命と考えています。責任ある機関投資家として、投資先企業が企業価値向上と持続的成長を実現するために望ましい経営のあり方として、ウェル・ビーイングをその一つに定め、自社におけるウェル・ビーイングを実現するための人事制度や従業員エンゲージメントを投資先企業に必要な取組みの具体例としてあげ、スチュワードシップ活動を通じて積極的に働きかけています。

 

インパクト投資では、解決すべき社会課題を特定し、課題に対してのインパクト・ゴール、モニタリング指標の設定を行い、投資対象企業の選定、インパクト・ゴールに対する進捗の継続的なモニタリングを通じて、ポートフォリオ全体としてのインパクトの計測はもちろん、投資対象企業とのエンゲージメントにも活用することで、課題解決の動きを後押ししています。インパクト・ゴールのひとつに、医療問題の改善を掲げ、医療の進歩に貢献しています。

 

また、国内外の企業との協働エンゲージメントを行っており、当社英国拠点の株式運用チームは、2019年より発展途上国での医療品へのアクセス改善に関する実践や貢献度を評価し、ランク付けを行うAccess to Medicine(ATM)およびその署名機関と協力して活動しています。2022年12月に東京で開催されたAccess to Medicine Index投資家イベントでは、Access to Medicine Indexの主な調査結果についての考察や医療品アクセスに関するベストプラクティスについて議論しました。Access to Medicine Foundationの担当者や投資家、医療品企業、学識経験者などが集まり、当社からは東京のESGスペシャリストが参加しました。

 

【5】その他の風土・環境

対応力の向上

2022年12月、人事部内に治療と仕事の両立、育児介護と仕事の両立等、健康経営関連およびDEI&Bに関する役割を担う専用チーム(人事部HR Health Managementチーム)を新設。属人的なフォローアップに止まらず、チームとして持続的なフォローアップが可能な体制を整備しました。社外の「ピアサポーター育成研修」等への積極的な参加やグループ間のノウハウの共有、現在、チーム内でノウハウの蓄積を行っています。

 

グループ会社の担当者同士の連携

グループ会社の担当者が定期的に集まり、両立支援やその他の健康経営推進に関する取り組みについて意見交換やノウハウの共有を行い、グループ全体で「野村で働くすべての人が、単に健康になるのではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも満たされた状態(Well-being)になること」を目指した取り組みを継続しています。

 

また、WorkCAN’s ワーキング・ピア・サポーター養成 合同企業研修会に参加したグループ会社人事担当者と共に研修会で得た知識を活かして今年度初めてがん罹患者の座談会を開催することができました。

 

医療職と人事、現場の上司のチームワーク

産業医、保健師、人事部の専門チームが常に情報連携できる体制にあり、社員の治療と仕事の両立を支援しています。また、職場の上司から産業医、保健師へ相談可能な体制、月次のHRミーティング(各部室の部長と人事部のビジネスパートナーとの1on1)、HR Health Managementチームのフォローアップ等、一体となって部下の両立支援を実現しています。

 

エピソード・思い

 

人事部の担当者が、がん治療を始める社員からの相談を受けた際、どのような受け答えが正しいのか、社員は担当者に何を求めているのか、そして、情報管理も含め、コミュニケーション方法わからないという壁にぶつかり、悩んだことが産業医や保健師といった医療職との密な連携、社外の勉強会への積極的参加、グループ会社とのノウハウの共有に繋がっています。そして、両立支援の経験がある担当者だけではなく、持続的な取り組みを望む気持ちが、専門チームの新設といった体制強化に繋がりました。

 

がんアライ宣言、がんアライアワードへの応募は、3回目となりますが、初回のがんアライ宣言の写真が人事部の関係者だけだったことから考えると、会社の取り組みの目的を理解した上で宣言に参加する社員が増え、今回は社長自らが宣言に加わり、社内外に向け、当社が治療と仕事の両立に取り組んでいることの表明に繋がっています。

 

先日参加した合同研修会のグループワークで育児に関する座談会について共有した際にいただいたコメントが、治療と仕事の両立についての座談会開催の後押しになり、がん罹患者の座談会を実現するきっかけになっています。

 

当社のがんと就労に関する取り組みは、不完全ではありますが、医療職等の関係者やグループ会社の担当者、社外の勉強会で出会う方が紹介する取り組みやコメント等、さまざまなきっかけを連鎖させて、今後も育てていきたいと考えています。

 

【1】がんと就労の取り組みを始めたきっかけ

両立支援を本格的に実施したきっかけは一人の社員です。

 

社員と人事担当者と、治療と仕事を両立するためのコミュニケーションをする中で、社内の制度や支援がわかりにくいこと、人事部として就業規則や制度利用の手続きを知っていても、利用する側の社員に伝わらなければ意味がないこと、そして、働く機会を失うことなく、治療と仕事を両立しながらも成果を発揮するための制度が当社には多く存在するのに、両立支援と結び付け切れていないことに気づきました。グループ会社からのノウハウの共有により作成した、治療と仕事の両立支援ガイドブックの社内ポータルへの掲載や、社員への紹介が取り組みの第一歩となっています。

 

【2】他社の担当者への応援メッセージ

がんと就労に関する取り組みに正解はなく、100点満点もないと考えています。

 

担当者として、「社員が離職せずに治療を継続するにはどうしたらよいか」「自分が担当者として、両立支援するにはどうしたらいいか」「(ある特定の)同僚の支援をしたい」「取り組むように会社から指示されて困っている」等の様々な気持ちがスタートです。

 

進め方に悩んだ時は、アワードの応募シートが、自社の両立支援MAPとなり、既存の制度や体制、今後取り組むべき課題の整理にも繋がります。是非一緒にがんアライの輪を広げ、がん治療と仕事を両立できる社員の実現を目指しましょう。

 

講評・コメント

 

グループ会社間での活動にとどまらず、独自の方針「野村アセットマネジメントWell-being ガイドライン」を打ち出され、KPI達成に向けた具体的な対策を進められていて、健康経営への本気度の高さが伺えます。

 

人事部に専門チームがあることの強みを生かしたの取り組みも続々とスタートされており、社員一人ひとりの状況を踏まえた対応がさらに広がっていくことが大いに期待できます。

 

※上記オレンジ色の枠内の項目は、がんアライアワード2023応募シートでチェックいただいた項目と同一のものです。

 

>>「がんアライアワード2023」受賞企業一覧はこちら

Member部員

を押して、がんアライ部の部員になる

「がんアライ部」にご賛同いただける方はすべて部員と考えています。
まずはFacebookからつながり、一緒にがんとともに生きる社会をつくりましょう!