【がんアライアワード2023シルバー】ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2023に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
シルバー受賞:ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
業種:飲料水及び食品事業、外食事業、その他
従業員数:959人(2022年12月現在)
働く人を支える制度・ 体制
【1】がんと就労に関して、あるいは社員の健康や安全に関する基本方針等の表明
■サッポログループ健幸創造宣言
2017年にサッポロホールディングス社長が宣言し、イントラネットで社内周知してグループ各社の健康経営の取組みを始めると共に、ホームページに掲載し、社外にも表明している。
■ポッカサッポロの健幸創造宣言
前年のホールディングス社宣言を受けてポッカサッポロとしても策定し、グループのホームページで社外にも表明している。
■ポッカサッポロ「がんアライ宣言」
がんアライアワード2019応募時に宣言し、イントラネットでの周知や記事の掲載、グループの社外向けニュースリリースで社内外に周知している。
【2】休暇制度
■休職制度
休職復職規程を定めており、私傷病事由には勤続に応じた休職期間を設定。
■積立休暇
失効した有給休暇を60日を限度に積み立てることができ、本人の病気療養や子の看護・家族の介護等に1日単位で使用することができる。
■半日単位の有給休暇
有給休暇の半日単位での取得が可能。
■時間単位有休
有給休暇の時間単位での取得が年間5日間まで可能。
■本人対象以外に子の看護休暇・家族の介護休暇もあり。
【3】勤務制度
■スーパーフレックス制度
コアタイムなしのフレキシブルタイム5時~22時の間で、自主的に始業及び終業の時刻を選択して就業することができる制度。
■テレワーク制度
場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を志向した制度で、通信などの就業環境が整い業務に集中できる場所であれば、自宅以外でも勤務が可能。スーパーフレックスや時間有休と共に、「働き方改革」の中で2018年に制度を整備。
■ならし出勤
休職復職規程の中で、復職前に勤務制限区分を定めて段階的に勤務時間を設定し、産業医や保健師との面談等を通じ、本人の体調や希望も鑑みながらならし勤務を行う。
【4】支援体制
■社員相談窓口の設置
全国事業場にエリア保健師と契約した産業医を配置しており、健康面での相談がしやすい体制を整えている。
■外部EAPとの連携
人事担当ががんに罹患した社員の治療や勤務について相談する先として、産業医・保健師だけでなく、産業EAP企業と提携しており、対応の仕方や選択肢の検討等、適時アドバイスを頂ける体制をとっている。なお、上司も相談できるようにしており、メンタル面でのサポートの仕方の悩み等の解決にも役立てている。
■キャリア相談制度
自分の健康や家族事情を含めて、キャリアのことを社内やグループ他社のキャリア相談員にいつでも相談できるキャリア相談制度がある。
■上司との1on1
人事制度の中で上司と各メンバーは定期的に1on1ミーティングを行うこととしており、またそのための1on1研修を上司向け、メンバー向けに行っている。
【5】健康増進支援
■生活主管病健診の受診料補助
法廷検診とは別に実施している生活習慣病検診のサッポログループ全体の対象者に関し会社からも費用を一部補助し、また就業時間中に受診できるようにすることで、がんの早期発見につなげている。
■受診率100%への働きかけ
法定健診、生活習慣病検診共に、受診率100%に向けて人事や各事業場の担当者から受診を働きかけている。一昨年に比べて生活習慣病検診の受診率100%達成の事業場が増えるなど着実に功を奏している。
■禁煙促進
サッポログループ全体の取組みとして、就業時間内禁煙としている他、禁煙希望者への補助プログラムを導入している。
■健康促進プログラムやアプリの導入
社外企業と連携し、定期的に健康関連の動画配信やクイズ形式での意識啓発を行うと共に、ウォーキング大会など健康増進に気軽に使用できるアプリを導入している。
■健康アンバサダー
日常の中で健康に関する話題を増やす身近な健康推進者として「健康アンバサダー」を2020年より任命し、「健康アンバサダー勉強会」に参加、各組織での展開に繋げている。
働く人を支える風土、環境
【1】啓発、研修
■アンコンシャスバイアス研修
グループでの施策として、本年管理職向けにアンコンシャスバイアス研修を実施。事例としてがんに関するアンコンシャスバイアスを盛り込んだ。
■介護との両立動画研修
家族のがん罹患などで介護が必要となった場合の仕事との両立の理解促進のため、支援制度の概要や相談できる環境づくりを進めている。
【2】情報発信
■「がんなど治療と就労の両立支援ガイドブック」の掲示
2022年には人事担当者が罹患したことをきっかけに当事者の視点を盛り込んで改編し、イントラネットに掲出すると共に周知を行っている。
■Can Starsカフェ
グループでの施策として、一般社員向けに昼休みにオンラインで気軽に体験談等を聞いてもらうための企画があり、最近では「女性のがん」や「生活習慣病健診の受診促進」をテーマに、自社内でも積極的な参加を発信している。
【3】コミュニティ
■「Can Stars(キャンスターズ)」
グループ内のサッポロビール社が主体となって活動しているがん経験者のコミュニティだが、希望があれば参加することができ、同じ罹患経験者としての相談先として活用できる。また、自社内でも広く両立支援を目的としたサポーターズなどを企画検討中。
【4】対外的な活動
■「レモネードスタンド普及協会」への活動サポート
レモネードスタンド普及協会をサポートし、レモネードづくりに必要なレモン果汁を提供する等、小児がん支援を行っている。また、「LEMON MADE」商品の2022年度売上の一部を「レモネードスタンド普及協会」を通して小児がん支援に寄付。
【5】その他の風土・環境
■「語れる健康経営」の取り組み
社員一人一人が健康に関する目標を実践し、周囲の人々とその目標に関して語り合うことができている状態を目指す取り組みを全社で行っている。例えば、がん等の罹患経験者であれば、自らの経験を語ることで他の社員へ気付きを与えたり支えとなることもできる。
エピソード・思い
現状ではグループの施策に参画することが多いが、取り組みに関する情報発信によって自社内でも周知が広がりつつある。「女性のがん」に関する発信では、婦人科健診の申込みが増えるといった結果にもつながっている。
【1】がんと就労の取り組みを始めたきっかけ
サッポログループ及び自社での健幸創造宣言や、生活習慣病健診によるがんの早期発見の重要性などを意識する中で、治療と仕事の両立支援推進の取り組みを開始した。
【2】他社の担当者への応援メッセージ
がん罹患や治療のことは個人によって考え方も様々だと思いますが、誰にでも起こり得ることであり、起きた時に何ができるかを考えておくことが大事だと思います。困難があっても働き続けられる喜びのある社会を一緒につくっていきましょう!
講評・コメント
コアタイムなしのスーパーフレックス制度や法定検診外の生活習慣病検診が就業時間内で受診できるなど、働きやすい制度の運用を続けられています。
サッポログループの取り組みに参加するだけでなく、「レモネードスタンド普及協会」への活動サポートなど、貴社ならでは形でがんアライの輪を広げられていることはとても心強く感じます。
※上記オレンジ色の枠内の項目は、がんアライアワード2023応募シートでチェックいただいた項目と同一のものです。