【がんアライアワード2021 シルバー】野村プロパティーズ株式会社の「がんと就労」施策 - がんアライ部
がんアライアワード2021に寄せられた、各社の「がんと就労」への取り組みをご紹介します。
シルバー受賞:野村プロパティーズ株式会社
事業内容:不動産賃貸業
従業員数:98人(2021年9月30日時点)
ウェブサイト:http://www.nomura-p.co.jp/
取り組みのきっかけやエピソード
・これまでに社員ががんに罹患するケースはあったが、今年度がんに罹患した社員が急逝したことで、がん治療と仕事の両立について改めて考えさせられた。身近な出来事により、社員一人ひとりの意識の変化もあり、またほんの少し意識を変えるだけで見える景色が変わってきている。
今年度はがんアライへの参加を部内に呼びかけ、小さな活動ではあるがその輪を広げる取り組みを実施した。今後も主体的な活動を一歩一歩積み重ねていき、社員が活き活きと働ける環境づくりに取り組んでいく。
・2018年度から仕事を両立する野村グループ社員の体験談をイントラに掲載。匿名・写真なしで可としているが、体験談を読んだサバイバーから徐々に実名・写真入りでの掲載希望が増えている。
また、野村グループ内では体験談を掲載した社員へ個別に相談を実施し、体験談を読んでがん検診の重要性を認識した社員が体験談を社内に拡散するなど、社員発の動きが増えてきている。
風土づくり
◆会社の方針
・野村グループとして、がんなどの治療と仕事の両立支援のため2018年4月に「NOMURAの健康サポートプラン」を策定。これに伴い、野村プロパティーズでは衛生委員会を通じて治療と仕事の両立の支援について社内に情報を発信している。
◆リテラシー向上や社内の理解浸透
・野村グループとして、社員と上司向けの「治療と仕事の両立支援ガイドブック(本人編、上司編)」を作成。本ガイドブックには、がんなどの病気により治療を続けながら仕事をする社員が安心して仕事と治療を継続することができるよう、本人のみならず上司の対応方法なども掲載されている。当社では衛生委員会を通じ、本ガイドブックについて社内に案内周知している。
・また野村グループとして、治療と仕事を両立している社員の体験談を「キラッとNOMURA Life~私の体験談~」として野村グループイントラネットに掲載。当社では、衛生委員会を通じ社内に情報共有をしている。
・がんなどの理解を深めるための啓発活動として、以下の取り組みを実施。
毎月野村グループで制作している健康番組(動画)において、2020年度は3回シリーズの「がん特集」を配信。2021年度は「がん検診後の精密検査」について取り上げ、2019年度より健保組合が開始した精密検査受診勧奨の状況を共有するとともに、早期発見・早期治療の大切さについて改めて訴えた。
新任管理職研修において、復帰フローと両立支援ガイドブックに関する情報を提供。
■相談できる環境づくり
◆定期的に社員と上司、また社員と人事がそれぞれ1対1でコミュニケーションを取る機会があり、業務に関すること以外にもキャリアやプライベートに関することを相談することができる。
◆社員と上司向けの「治療と仕事の両立支援ガイドブック(本人編、上司編)」を野村グループイントラネットへ掲載し、いつでも確認できる環境になっている。
◆社員の健康に関する社内相談窓口を用意
・産業医・保健師が連携して、がん等に罹患した社員の相談への対応可能。
・カウンセリングルーム:各社員の必要に応じ臨床心理士ががん等に罹患した後のキャリア等に関する相談にのっている
・総務部人事課:産業医・保健師・衛生委員会と連携して会社全体の健康管理や社員個別の相談窓口として対応している。
◆治療と仕事を両立している野村グループ社員の体験談に投稿した一部の社員が連絡先を開示し、サバイバー自らが野村グループ社員からの相談を受ける環境がある。
制度・配慮
◆健康増進
・禁煙対策として、2021年10月より就業時間内禁煙を導入。同時に健康保険組合が実施しているオンライン禁煙プログラム費用の全額補助の継続や、新たに禁煙に成功した社員へポイントインセンティブを付与するサポートを実施。社内喫煙所は2021年12月末を以てすべて廃止の予定。
・野村グループ社員の健康増進のため、2017年度より「NOMURA健康チャレンジ(ノム☆チャレ)」を実施。部署ごとに健康に関する取り組みをしてその様子を健康プラットフォーム「WellGo」に投稿し、よい取り組みをした部署にはCHO賞を贈呈している。
2020年度は社内バーチャルウォーキングイベント「ノム☆チャレWALK」を開催し、全参加者の毎日の平均歩数の合計に応じた金額を「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」へ寄付した。イベント開始前後の全社員の平均歩数も1日あたり約800歩増加し、ウォーキングへのモチベーションや「寄付するために歩こう!」という意識が高まった。
◆予防・早期発見
・30歳以上の社員は原則無料で人間ドックを受診することが可能。女性の場合は、乳がん・子宮がん検診も無料で受けることができ、2020年度より20代女性にも子宮頸がん検診を拡大。
なお、健保とのコラボヘルスの一環として、人間ドック早期受診者にはポイントを付与するインセンティブ制度を導入しており、継続受診・受診率向上に努めている。
・人間ドック受診時には有給の「人間ドック休暇」を利用可能
・定期健康診断/人間ドックの受診後に二次検査が必要になった社員へ受診勧奨を実施。また、がん検診項目で要精密検査となった社員へは健康保険組合とのコラボヘルスにより受診勧奨を実施しており、それぞれ二次検査・精密検査受診時は、有給の二次検査休暇を利用可能。
◆罹患後
・半日・時間単位の年次有給休暇、傷病休暇、復職後の医師の診断に基づく短時間勤務。
・健保組合の高額療養費制度により、医療費の自己負担額が約25,000円/月に抑えられるため、経済的な心配をせずに治療に専念できる。
講評・コメント
・グループ内制作の健康番組(動画)において、2020 年度に3回シリーズの「がん特集」、2021 年度は「がん検診後の精密検査」について取り上げ、精密検査受診勧奨、早期発見・早期治療の大切さを伝えられるなど啓発活動を継続的に行われています。
・がん罹患社員の急逝という出来事から、仕事と治療の両立について社員一人ひとりが考え、がんアライの輪を広げることにつなげられています。